【コラム】美術品とその価値
美術品の“価値”
さて、今回はお客様に聞かれることの多い質問トップ3に入るであろう「それは全く価値がないということですか?」について書いていこうと思います。
最初に断言しておきます。
この世に価値のない美術品は存在しません!!
もちろん、機械印刷で複製されたような大量生産のものなどは除きますが、人が丹精込めて手で造ったものには全て価値があると私は思っています。たとえ誰にも評価されなくても、造った本人や所有する本人が価値を見出せば、そこには価値が存在します。
芸術は人の価値観のみで支配されるところがあります。これは酷なようなことに思えますが、価値のないものは存在しないということの裏返しでもあります。
“価値”に対しての“金額”
ただし、美術品を商売という目線で捉えるとシビアになってきます。
どうしても「価値=お金」で考えなければならないからです。そしてその金額は需要と供給に基づいて決まります。
多くの需要に対して、少ない供給であれば金額は高くなりますし、少ない需要に対して、多くの供給があれば金額は低くなります。つまり、たとえどんなによくできた作品であっても、需要が少なければ金額がつきにくいということになります。同じく、どんなによくできた作品であっても、供給が多ければ金額がつきにくいということでもあります。
自動車なども同じようなところがあると思います。人気車種であれば中古でも高価になりますよね。
では、不人気車種は価値がないのでしょうか。
決してそんなことはないと思います。個人的なことですが、私は今の車を10年近く乗り続けています。すでに現行モデルも生産されていないどちらかというと不人気車種ですが、私にとってはどの車よりも価値があるのです。
さいごに
私達鑑定士に対して、「価値がないのにわざわざすみません」と気を遣ってくださるお客様がたくさんいらっしゃいますが、私達はそういうことは一切考えておりません。
どのお品物にも必ず誰かの想いがあり、輝きがあるからです。
ですので、何でもお気軽に八光堂へご相談ください。
気になる作品についてはもちろん、買取で気になること、「どうして?」などふと疑問に思われたこともお気軽にお訊ねください。
皆様からのお問い合わせ、心よりお待ちしております!