【コラム】落款のお話
落款の意味
掛軸における落款・印
まずは掛軸。
掛軸の真贋は極めて難しいです。それは贋作や写しが数多くあるからです。
作品が偽物でも落款が本物なんていう場合もあります。それは、ある作者の弟子が落款を借り、その弟子が製作した作品に対して印を押して売っていたということがあったからです。また、掛軸自体の歴史が長いこともその原因のひとつと思われます。
中国では古くから落款の文化がありました。作者をあらわす落款はもちろんですが、それとは別に所有者、または鑑定をした人が作品に落款を押すということもありました。それを鑑蔵印といいます。
作品に押すなんて!!と私もかなり驚きましたが、中国では、作品に負けない為にとても美しい落款が作られてきました。押された際の文字の美しさもありますが、落款の美しさも同様に求められてきたのです。
それらの落款により、私たちはその掛軸が今まで歩んできた歴史を知ることができます。
印材、判子は押した際の文字の美しさもありますが、印材も実に様々な美しい作品があります。
美しい玉で製作された品や、美しい彫刻が施された品、それらを見比べるのもまた面白いと思います。
陶器における落款・印
さいごに