【連載記事】着物~その3:着用する機会が多い着物~
略礼装着の中でも少し控えめなもの
前回は略礼装着(準礼装着)について触れましたが、その中でも控えめな着物が色無地です。
色無地は生地が黒以外に染められており、なおかつ文字通り無地で柄のないものを指します。五つ紋を付けてしまえば礼装と言えますが、実際には一つ紋を付けることが多い印象で、茶会などでは色無地の一つ紋も多く着られるかと思います。
あとはよく着られるのが江戸小紋でしょうか。細かい柄で染められた着物ですが、細かく仕上げられた格の高い柄などでは一つ紋を付けて略礼装などとすることもあります。一般的には紋は付けずおしゃれな軽い外出着とする方が多い気がします。
外出着のいろいろ
外出着が一番幅が広く、皆様がお楽しみになることも多い着物だと思います。
代表的なものは付け下げです。縫い目に渡らずさほど大きくない柄や絵で、反物の状態で染めたものです。
あとは小紋ですね。先程の江戸小紋とは少し違い、全体的に同じ模様が繰り返されていて、軽い外出着でおしゃれな印象を与えるかと思います。もっとも幅広い場面で着られる着物かもしれませんね。独特な柄や色使いのものが多く、アンティーク着物などは若い方や外国の方にも人気です。
おしゃれといえば、紬の中でも絵羽模様を染めていて外出着とされるものは見る人が見ればとてもハイセンスに見えると思います。紬は格自体が普段着とされることが多いので、カジュアルな場面で外出着としてさらっと着ていただけると素敵だと思います。大島紬や結城紬などは一般的にも有名で、かつ高価なものなので格も高いと思いがちですが、あくまで基本的には普段着に分類される着物なので、着る場面はお間違えの無いようにお気を付けください。
今回は外出着として着られるものをざっとご紹介致しましたが、次回は最も多く着られる機会のある普段着の着物についてご紹介できればと思います。
さいごに