【コラム】シュルレアリスムとは・前編
シュールの語源
シュールとは、「シュルレアリスム」の略です。
シュルレアリスムとは、日本語で「超現実主義」と訳します。
「凄く現実的」という意味ではなく、「現実を超越している」というような意味です。
現実を超えるって何だよ。
・・・と言いたくなるほど、シュールという言葉自体がシュールですね。
シュルレアリスムの起源
アンドレ・ブルトンの著書「シュルレアリスム宣言」によれば、シュルレアリスムとは、ざっくばらんに言うと
「現在、我々が生活している現実は理性の下で展開されており、その理性外の行動から現れる現象こそが現実を超えた現実である。」
とのことです。
・・・何を言っているのかシュール過ぎて分かりません。
ブルトンは著書の中で、例として「溶ける魚」という自動記述した著作を残しています。
内容はここでは省略しますが、つまり、無意識下での行動で出来たものがシュール、超現実と言いたいわけですね。
ちなみに自動記述とは、自分の意志とは関係なく、何かに支配されたかのように無意識に記述する現象で、オートマティスムとも呼ばれます。
・・・となると、こっくりさん等も超現実なのでしょうか?
このブルトンのシュルレアリスム宣言が1924年に発表されたため、シュルレアリスムの発生は1924年ともされています。
シュルレアリスムの派生
日本では岡本天明が似たような行動をとり「日月神示」を著作しています。
何でもこの書物、岡本天明自身に国之常立神が乗り移り、自動筆記で書き記したそうです。
ここまでくるとシュールというよりオカルトですね。ですが、やってることはブルトンと余り変わりません。
また、無意識下での現実と言う事で、夢が着目されました。
確かに、夢の内容はかなり現実離れしており、まるでぐちゃぐちゃです。
そんな夢の内容を描写しようと、数々のシュルレアリストたちが試みを行いました。
ダリやマグリットは勿論、日本では古賀春江が挑戦しており、映画ではブニュエルとダリが撮った「アンダルシアの犬」が有名ですね。
深く考えれば考えるほど謎が深まるシュルレアリスム――。
続く後編はシュルレアリストたちをご紹介いたします。