【コラム】シュルレアリスムとは・後編
芸術運動・シュルレアリスム
現代アートにもこの流れが残る、20世紀を代表する芸術運動の一つです。
今ここにある現実の風景そのものを表現するのではなく、非現実的なもの・非日常的なものをそこに加えた風景を表現する――それがシュルレアリスムです。
ダダイスムから派生、発展したこの芸術運動は、文学・美術のみに留まらず、映画や演劇、ファッション、音楽などにも影響を及ぼしました。
シュルレアリスムの画家たち
シュルレアリスムの代表的な画家は、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、ジョルジョ・デ・キリコ、ルネ・マグリットなどが有名ではないでしょうか。
写真家ではマン・レイ、小説家では安部公房、漫画ではつげ義春、映画では最近ではヤン・シュヴァンクマイエル監督などがいらっしゃいます。
どの作家もそれぞれ独特の、少し不安になるような、不可解・不可思議な絵を描く人たちですね。
今までに見たことのないような奇抜な作品で、人々の度肝を抜きました。
私の個人的な好みとしてはピカソ、マグリットです。シュルレアリスム運動に参加した画家たちは、それまでの絵画の常識を覆すような、新しい視点・世界観・価値観を持っていました。
シュルレアリスムの画家の作品は非常に独特で、人によってはもしかしたら「気持ち悪い」「理解できない」と拒否反応を示す方もいるかもしれません。
それもそのはずで、シュルレアリスムとは人の内面、心の奥底、深層心理にあるものをどうにかして抉り出そうとして表現されるものなのです。
見る人の深層心理をいきなり暴こうとするのですから、思わず拒否反応が出てしまう方がいるのも頷けます。
このような芸術運動が盛んになった背景には、やはり、恐慌や世界大戦などの不安定な世界情勢が影響していると思われます。
シュルレアリスムの一連の芸術運動に参加した芸術家たちの残した作品からは、鬱屈とした、抑圧された雰囲気が感じられます。と同時に、幻想的で現実離れした世界も感じ取れます。
彼らは作品を作り出すことで、現実世界の不安や抑圧から逃れようとしていたのかもしれませんね。
さいごに