【京都店:絵画買取】ヒロ・ヤマガタ シルクスクリーン
色彩の魔術師 ヒロ・ヤマガタ
ヒロ・ヤマガタこと、山形博導は滋賀県の米原市出身の画家です。ジュエリーデザイナーのショウ・ヤマガタは実弟だそうで、兄弟揃って芸術的な感性を育む環境で育ったのかもしれませんね。
芸術家としての転機は1978年。ロサンゼルスの画廊にシルクスクリーンの制作を依頼され、パリからロスに移住します。
ポップで明るいヤマガタのシルクスクリーンはすぐさま高く評価され、多色を駆使したその作風から「色彩の魔術師」と呼ばれました。
1983年には「エアーショー」が人類飛行200周年記念の祝典ポスターに採用され、その後も自由の女神100周年記念の公式ポスターをはじめ、1991年の世界陸上、オリンピック公式ポスターを5回も手掛けるなどめざましい活躍を続けます。90年代に至るまで、ヒロ・ヤマガタのシルクスクリーンは世界中を席巻しました。
アートとしてのシルクスクリーン
ところでシルクスクリーンって何?それってアート?なんて疑問に思われるかもしれません。
簡単に解説すると、そもそもシルクスクリーンとは、孔版画と呼ばれる版画のひとつであります。
版さえ作ってしまえば多色刷りが可能で、凸版・凹版のように原画が反転して印刷されることがありません。そうした利点に目をつけ、1960年頃からアンディ・ウォーホルをはじめとする芸術家たちが、芸術表現のひとつとしてシルクスクリーンを活用するようになりました。
通常、アート作品として販売されるシルクスクリーンには、エディションナンバー(限定枚数の番号。画面右下や左下に記載されていることが多いです。)と画家のサインが手書きで加えられています。版画技法は異なりますが、リトグラフも同様の体裁です。
シルクスクリーンとリトグラフは何が違うの?と聞かれることがありますが、リトグラフは水と油の反発作用を活かした平版画の技法で、大きな違いはなく、ともに版画作品となりあます。
ヒロ・ヤマガタの特徴
ヒロ・ヤマガタのシルクスクリーンの特徴は、なんといっても色彩。
特に深く爽やかな青色は「ヤマガタ・ブルー」と呼ばれ、ヒロ・ヤマガタ作品の代名詞となっています。
さらに、作品によっては、なんと100色以上もの色が使われているというので、驚きを隠せません!
これだけ多くの色を使えば、画面はごちゃごちゃとまとまりがなくなり作品が破綻してしまいそうでもありますが、調和のとれた美しい世界を創り上げてしまうところがヒロ・ヤマガタが色彩の魔術師たる所以なのだと思います。
ヒロ・ヤマガタは間違いなくシルクスクリーン作品で一時代を築き上げました。
しかし、現在はシルクスクリーン制作を行っておらず、レーザーを用いたインスタレーション(空間全体を使って表現する現代芸術)に表現の場を変えています。
三次元の光のアート……シルクスクリーン作品とは違い、なかなかお目にかかれる機会は少ないですが、是非いつかは鑑賞してみたいですね。
さいごに