【博多店:陶器買取】中里太郎右衛門 壷
九州地方は陶磁器発祥の地として名高い作家を多く生み出しています。
中国やヨーロッパなどの舶来の技術・作品などから影響を受けた土地柄から、素晴らしい作品が多く存在しています。
その中の一人でもあります「中里太郎右衛門」について、今回はご紹介させていただきます。
佐賀の三右衛門
佐賀県唐津市にその名も「唐津焼」の陶房を持ち、酒井田柿右衛門、今泉今右衛門と合わせて「佐賀の三右衛門」として世界規模でも有名です。
ちなみに、先ほど“ 一人 ”と申しましたが、正確には「中里太郎右衛門」は個人名ではなく、江戸初期から現在に至るまで十四代にも渡り唐津焼の伝統を継承している家系の名前となります。
その中でも特に多くの方に知られているのが、唐津焼きで初の人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定された十二代でしょうか。
「中里太郎右衛門」を十三代に引き継いだ後の「中里無庵」の名前でご存知の方もおられるかもしれませんね。
途絶えてしまった「古唐津」を復刻させるべく研究を重ね、見事に現代へと蘇らせました。
受け継がれる伝統
いつからそう言われるようになったのかははっきりと分からないそうですが、「一井戸、二楽、三唐津」または「一楽、二萩、三唐津」と呼ばれ、茶を嗜む方をはじめ人々に愛されてきた唐津焼。
その歴史はとても古く、室町時代から唐津市、佐賀・長崎の両県の松浦地方などで「古唐津」と呼ばれる焼き物が存在していました。
ちなみに、17世紀中期までの焼き物がその「古唐津」と呼ばれ、17世紀末から現在までのものを「唐津」と称します。
文禄から慶長初期のころ、初代の中里又七が開窯し、李朝・明朝の流れを汲み、献上唐津を製作したことが「中里太郎右衛門」の歴史の始まりでした。
そして現在では、十四代がその伝統を守りつつ、現代の感覚を織り交ぜた鮮やかな作品を次々と世に送り出しています。
佐賀県唐津市にある「中里太郎右衛門陶房」では、窯の見学や作品の購入ができます。
また、そちらで十三代と十四代の作品の数々も鑑賞できるので、その作風の違いや時代の変化、そして受け継がれている伝統を直接確認することができます。
中里太郎右衛門の作品の数々は一見地味な印象があるかもしれません。
しかしながら、その落ち着きのある色合いに温かさを感じることができるかと思います。
さいごに
中里太郎右衛門はもちろん、他のどういったお品物でもしっかりと拝見させていただきます。
お客様が大切にされてきたお品物の数々を、その受け継がれてきたエピソードと共にお持ち込みくださいませ。
次回の無料鑑定会は、山口県にて開催いたします。
12月18日(火)・12月19日(水)の2日間開催いたしますので、お近くにお住まいの方はぜひご来場ください。
鑑定士一同、心よりお待ちしております。