【コラム】着物の昨今についてのいろいろ
和服と着物の違い
先ほど「着物」と表現していましたが、「和服」とも言いますよね。
では、どのような違いがあるのでしょう?
「和服」とは“ 日本の服 ”という意味で、明治時代の開国に伴い他国の文化から洋式の服(洋服)が流通したことにより、それらと区別をするために「和服」という言葉が誕生しました。
「着物」とは本来は着る物の事を指し、服全般の意味でしたが、「和服」と「洋服」とを区別したことにより、和服の同義語として使われるようになりました。
着物の需要
日本における民族服、礼服ともされている着物ですが、普段なかなか袖を通すことはありません。
以前は習い事(花嫁修業の一環で茶道、華道など)を習われている方も多かったので、着物を着る機会も多く、その延長で普段着として毎日来ている方もいらっしゃいました。
ですが、残念ながら近年は日本古来の習い事をする方も減少し、着物を着る機会も少なくなってしまいました。
それに今では七五三や成人式、卒業式など、いざ着物を着る機会が訪れたとしても、レンタルでそのとき流行の柄を選べるため、たった数度のために購入する若い世代も少なくなっているのが現状です。
このように着る機会は少なくなってきている着物ですが、別の製品として生まれ変わることもあります。
着物の生地を利用し、その柄や色合いを活かした巾着や財布などの和小物や、着物の生地をパターンに盛り込んだ洋服など、さまざまな用途で再利用されています。
また、訪日外国人や日本人観光客に向けて、京都などの観光地にて着物を着て観光できるサービスなども注力されています。
普段着としては離れてしまった着物ですが、別の形で触れ合う機会が増えてきている昨今でもあります。
久保田一竹美術館
着物に馴染みのある方はご存知かと思いますが、【久保田一竹美術館】という着物を展示した珍しい美術館が山梨県にあります。
久保田一竹といえば、独自の染色と装飾の技法は海外でも評価が高く、その作品は一つの絵画を見ているようでもあります。
この久保田一竹美術館、実はあのミシュランガイドで三ッ星★★★を獲得されています。
この春、作品も然ることながら、建物や庭なども堪能してみてはいかがでしょうか。
さいごに