【名古屋店:骨董品買取】菊花石
鑑賞石について
そもそも鑑賞石自体がピンと来ないという方もいらっしゃるかと思います。
ざっくり言えば、石を山水の景色に見立てたり、変わった形・色・模様など自然が作り出した造形を鑑賞して楽しむ文化なのですが、鑑賞石といっても種類は多く、色や形、模様や産地などでも呼び名と価値が変わってきます。
元々は中国で発展した文化ですが、日本にも室町時代にはその文化が伝わってきていたとされていて、足利将軍家が所有していた「夢の浮橋」という石は、現在でも名古屋市の徳川美術館に収蔵されています。
室町時代以降も、鑑賞石の文化はお茶の文化と同じく、武将や文化人の嗜みとして根付いていき、著名なところでは頼山陽や岩崎弥之助なども愛石家として有名でした。
近年では戦前や昭和の東京オリンピック後に鑑賞石ブームが到来し、特に特別天然記念物に指定されていた岐阜県産の「根尾谷(ねおだに)の菊花石」は石ブームの旗振りとなりました。
当時は、休日になると有名な産地には何百人もの人が押しかけ、河原が人で埋まったといいます。
菊花石について
上のお話でも出てきた「根尾谷の菊花石」、何故旗振り役となったかと言うと、特別天然記念物であることもそうですが、日本国内では岐阜県根尾村で採れる菊花石が最高とされているからなんです。
特に緑がかった母岩に赤と白の花が自然に咲いている菊花石は人気があり、特別天然記念物に指定され採取が禁止となり、根尾村付近での採掘も現在は終了したことから、希少価値が上がってきています。
国産だけでなく中国産の菊花石もあります。こちらは黒い母岩に白色の菊の花が咲いているのが特徴です。
さて、これだけ古くから多くの人に愛されてきた菊花石ですが、菊模様がどうやって出来上がるのか、実は今でもはっきりとわかっていないそうです。
まさに自然の神秘が作り上げた芸術品ですね。
さいごに
昔から床の間に飾ってある “よくわからない石” が、もしかしたら菊花石かもしれません!
「そんなに立派な物じゃないし…」と悩まれるかもしれませんが、最近は大きさより質の良い物が好まれる傾向もございます。
もしもご処分にお困りの物がございましたら、ぜひ一度八光堂までお問い合わせください。