【博多店:絵画買取】前田青邨 木版
日本画を極める青邨
前田青邨の歴史画
多くの日本画家が新たな日本画の表現方法を模索し研究をしていました。
前田青邨も同様に同門の小林古径や、若手画家の安田靫彦、今村紫紅などと研究を進めていきます。ここでは大和絵を中心とする古画、絵巻物などの模写を勢力的に行い、朝廷、公家や武士などの行事、制度、風俗、習慣の研究をおこなっていました。
その後、朝鮮や中国を旅し、欧州にて多くの西洋絵画と出会います。
その多くは歴史画でした。特にイタリアのアッシジで見た壁画には深い感銘を受けたと言います。さらにロンドンでの滞在中、古径と2人で大英博物館に通いつめ、中国の古代画(女史箴図巻)を模写したり、多くの国の歴史画に触れたことにより、前田青邨は伝統的な日本画の重要性を強く再認識したと思われます。
その後、昭和期に入り、新たな大和絵の技法を駆使した肖像画が描かれます。
前田青邨といえば、まず歴史画を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
代表作のひとつ、「洞窟の頼朝」は平家との戦いに敗れた源頼朝の一行が夜の洞窟内に身を隠す場面が描かれています。
精密に描かれた武士の姿、そして武士達の表情は敗者の表情のそれでは無く、緊迫感と自信に満ち溢れているようにも見えます。
歴史画をただの描写ではなく一人の人物として描く、それらの作品は前田青邨の名声を高めました。
さいごに
前田青邨のように明治から昭和にかけて、多くの日本画家が新たな作風を追求していきました。
今回のお話に出てきた日本画家や、その他にも様々な美術品を取り扱っております。
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