【大丸梅田店:西洋美術買取】ヴィエナスタイル 額皿
ヴィエナ(=Vienna)とは、ドイツ語に直すとWien(ウィーン)を意味します。
音楽の都としてとても有名なオーストリアの首都ですね。一度は行ってみたい町です。
他にもビール(お酒)のスタイルのひとつにも「ヴィエナ」があります。
どちらかというと「ウィンナーラガー」という名称の方がしっくりくる方もいらっしゃるかもしれませんね。
日本のビールとは違い赤みを帯びたビールで、麦の独特の甘みと苦味がバランスよく緩和されたようなビールです。
ヴィエナスタイルとは
1719年に神聖ローマ帝国の首都であるウィーンに、クラウディウス・インノケンティウス・デュ・パキェにより開かれた硬質磁器のヴィエナ(ウィーン)窯が廃窯となった後に、その素晴らしいデザインを多くの窯が継承して作られた磁器を総称してそう呼ばれています。
ウィーン窯で作られたものは「インペリアル・アンド・ロイヤル・ヴィエナ」といわれ、他のヴィエナスタイルとは区別されています。
このスタイルをよく継承しているのがヘレンドとドレスデンです。
ヘレンドはウィーン窯が廃窯になった後、フランツ・ヨーゼフ皇帝の命によりウィーン窯のデザインを継承した作品を生み出しています。ドレスデンで作られたヴィエナスタイルも有名です。
1770年代になるとロココスタイルが取り入れられ、19世紀までロココスタイルが中心となり、本家ウィーン窯のオリジナルよりも価値が高くなった作品も多くあります。
ヴィエナスタイルとは現代では独自のブランドを誇る磁器として有名です。
ちなみに、マイセンもヴィエナスタイルのように、ドイツのマイセン地方で生産される磁器の総称です。
贅沢な硬質磁器
ヴィエナタイルの基となったウィーン窯は、パプスブルグ家の栄華を伝える世界でもっとも贅沢な硬質磁器として作られていました。
ウィーン窯が廃窯となった後も人気は衰えず、ウィーン窯のデザインを取り入れた作品が様々な窯で作られました。それらは芸術的に価値のあるものから粗悪品まで、とても多くの作品が作られています。
ヴィエナスタイルの作品には盾の窯印があるものが多くあります。これはウィーン窯で使われていたマークで、パプスブルグ家の紋章を真似ているといわれています。
ただ、1744年までは窯印はなかったといわれており、窯印のない当時のものは非常に貴重とされています。
そして、何より100年以上経った今でもその美しさや繊細さは失われてはいません。現代でもその美しさに目を惹かれます。