【博多店:絵画買取】中山忠彦 油彩
私どもは日常的に多くの美術品を拝見いたします。
その中でも数多く見られるのは人物を描いた作品です。
肖像画や、美人画、歴史画など、種類はたくさんありますが、多くの画家が実に様々な人物を描いています。
時には身近な家族を描き、時には英雄が描かれ、時には漁師や農夫が描かれ、時には高貴な人物が描かれました。
人物画の背景にはその時代の生活風景が垣間見えます。それらを見比べてみるのも個人的にはとてもおすすめです。
人物画の歴史
人物を描いた作品はとても古くから存在します。
多くの国で様々な作品が描かれてきましたが、みなさんは人物を描いた作品といえばどんな作品を思い浮かべるでしょうか?
私は歴史の教科書などに載っている肖像画を思い浮かべます。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、ナポレオン、ザビエルなどなど、歴史の教科書でよく見る作品の多くは権力者が描かれています。それは、政治的な意味合いが強く民衆に美化した姿、神格化させた姿を印象付けるために世界中で製作されていました。
その他にも様々な需要があったようで、なかには葬儀用の肖像画などもあったようです!
そのようなお話を聞いていると実は実用的な作品が多く、実用的な色合いが強いジャンルなのかもしれません。そして、時代がたつほどに技術は高まり、驚くほどに緻密な表現が可能となっていきました。
しかし、1800年代にはいり写真の技術が生まれたことにより、それまで実用的な意味合いの強かった人物画は大きな転機を迎えます…。
中山忠彦の美人画
中山忠彦が人物画を描いていた1900年代、多くの画家は抽象画を描いていました。写真が身近なものとなり、肖像画などの需要が少なくなったことが影響しているのかもしれません。
そんな時代に中山忠彦は美人画を描いていました。そして、奥様との出会いをきっかけに奥様をモデルとした作品を描きはじめます。
その作品は今までの写実とは異なり、美しいアンティークドレスを着飾った女性の姿が描かれています。気品にあふれた世界観がとても美しく、とても優美な印象を受けます。
19世紀は女性が最も美しく装われた時代。夫婦の日常を切り離す手段としてアンティークドレスを使用していたそうです。中山忠彦は作品のために数々のドレスを収集し作品に描きました。
美しいドレスを身にまとった女性の姿はいままでの人物画、写実画とは異なり新たな人物画の流れを感じることのできる作品となっています。