終活の不用品整理には「断捨離」を。上手な進め方と処分方法をご紹介
近年話題の「終活」。「そろそろ終活を始めようかな」と思っても、「実際のところ、何からやればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。終活の始め方に迷った際には、まず断捨離から始めてみてはいかがでしょうか。断捨離は、物を整理して不用品を処分する方法のことで、上手く活用することで終活をスムーズに進めることができます。この記事では、終活を見据えた断捨離の方法やメリットなどについてご紹介します。
「終活」「断捨離」とは?
終活や断捨離という言葉をなんとなく知っているものの、正確な意味がわからないという方もいるのではないでしょうか?まずは「終活」「断捨離」という言葉の意味や概要について詳しく解説いたします。
●終活とは?
終活とは、人生のエンディングに向けた準備のこと。いずれ必ずやってくる死と向き合い、最後まで自分らしく生きるための活動とも言えます。
終活と聞くと、なんとなくネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが、終活の中でこれまでの人生を振り返ることで、自分の人生をより俯瞰的に・客観的に見られるようになります。人生の中でまだやり残していること・死ぬまでにやってみたいことなどが明確になるので、新たに生きる目標ができるかもしれません。また、自分の死後に残される家族や友人・大切な人に、自分が何を伝えたいのか・何を残したいのか、そういったことを考えるきっかけにもなるでしょう。つまり終活とは、余生をより素晴らしいものにするための活動と言えます。
●断捨離は終活のひとつ
終活にはさまざまな活動が含まれます。そのひとつが断捨離です。断捨離とは、家の中にある物を確認し、自分にとって不要なものを手放すこと。断捨離をすることで、家の中がすっきりと片付き、暮らしを整えることができます。
●終活に断捨離を活用するメリット
終活のひとつとして断捨離を捉えたとき、最も大きなメリットは、生前整理ができることです。断捨離をして不要なものを捨てたり、物を減らしたり、必要な物や重要な物の在処を明確にしておくことで、自分が亡くなった後に残された家族や親族が遺品整理や財産分与・相続をしやすくできます。
断捨離の効果とは?
断捨離の言葉の意味はわかったものの、具体的にどのような効果があるのかがわからないという方もいるのではないでしょうか?ここでは、断捨離を行うことによる効果について詳しくご紹介します。断捨離を行う効果としては以下の3つが挙げられます。
●スムーズに不用品を処分できる
「もう使わないだろうけど、なんとなく捨てずにとってある物」というのは意外と多いのではないでしょうか。このような状態だと、年月を経るごとにどんどん物が増えていってしまいますよね。断捨離で必要なもの・不要なものに分類すれば、「なんとなくとっておく」という行為が減り、スムーズに不用品を処分できるようになります。
●自分を見つめなおす機会に
家の中にある物というのは、ほとんど全てが自分の意思によってそこに存在しています。自分が買った物・集めた物はもちろん、もらった物でも捨てずにとっておいているのは自分自身です。つまり自分の持ち物と向き合えば、これまでの自分の歩みが見て取れるのです。物を見て初めて思い出す昔の出来事や、久しぶりに思い出す友人の顔もあるでしょう。断捨離を進める中であらためて自分の持ち物と向き合えば、あらためて自分の人生や自分自身を見つめ直せるのではないでしょうか。ひいては今後の人生をどう生きていくか考えるきっかけにもなるはずです。
●ストレス解消などメンタルにも良い影響が
家の中が整っていないと、なんとなく気持ちもすっきりしないものです。「どこに何があるかわからない」「必要なときに必要なものがすぐに取り出せない」「いらない物がたくさんあってスペースを占拠している」などといった状態では、知らないうちにストレスが溜まってしまいます。断捨離で物を減らし、家の中が片付くと、おのずとストレスも減っていくはずです。日々を穏やかな気持ちで快適に暮らせるようになるでしょう。
さらに、断捨離をすることで、メンタル面でのプラスの効果が期待できます。家の中を片付けていると、昔の写真アルバムや日記などを見つけて久しぶりに目を通し、当時の思い出を振り返ることがあるかと思います。こういった回想行為は、メンタルの安定や脳の認知機能の活性化に良い影響を与えると言われています。
断捨離には「モノを減らせる」という効果の他に、さまざまなメリットがあります。終活をはじめようかと検討している方は、ぜひ断捨離にチャレンジしてみてください。
終活・断捨離をするタイミングは?早めに始めるメリットとは
次に断捨離を行うタイミングについて解説します。終活を見据えた断捨離を始めるタイミングとして適しているのは、転職や退職などライフステージが変化するとき。
最も一般的なのは、60歳・70歳など定年退職後のタイミングです。退職するとライフスタイルはこれまでと大きく変化します。自分にとって必要なもの・不要なものも変わるはずです。そういった意味で退職後は終活や断捨離開始に適していると言えます。
また、最近ではもう少し早めに、40代〜50代の人生の折り返し地点に際して始める人も増えています。「そんなに早めに行うの?」と思う方も多いかもしれませんが、早めに始めるメリットはたくさんあります。断捨離で家の中の持ち物を整理することで、これまでの人生を見直すことができ、折り返しからの人生をどう生きるかを考えるきっかけになるはずです。
また、断捨離の作業では、本格的に家の中のものを片付けたり不用品を処分したり掃除をしたりと、意外と体力が必要です。高齢になると体力面で不安が出てくることも。体力のあるうちに始めておくと安心です。
断捨離の上手な進め方
では、断捨離を上手に進めるための方法について詳しくご紹介します。以下の6つのポイントに注意して断捨離を進めてみてください。
●断捨離完了までのスケジュールを作成しよう
断捨離は一朝一夕で完了するものではありません。一気にやろうとすると挫折してしまいがちです。終活を見据えての断捨離は、長期的なスケジュールをたてて計画的に行うことが大事です。例えば、今月はキッチンを、来月は書斎を……などと、部屋ごとや場所ごとに細かく分けて行っていきましょう。
●断捨離は場所ごとに行おう
上手に断捨離を行うコツは、場所ごとに進めていくこと。「家の中のいろいろな場所にちょっとずつ手をつける」というやり方はおすすめしません。例えば今月はキッチンの断捨離をすると決めたら、キッチンに絞って行います。これからも使う物と捨てる物に選別し、不要品は処分しましょう。
●これからも使う物ともう使わない物に分類しよう
断捨離をしようとするものの、「なかなか物が捨てられない」という悩みをよく聞きます。そんなときは一つの基準として「これからも使うか、もう使わないか」で判断してみてください。また、「これからの自分のライフスタイルや気分に合う物かどうか」を考えるのも良いでしょう。
●大きなものから片付けていこう
細々とした物を断捨離することも大事ですが、まずは大きな物から先に。例えば家電や家具・インテリアなどを見直してみましょう。
●各スペースに3割の余白を作ることを基準にしてみよう
例えばクローゼットの中を断捨離するとき、クローゼットに3割の余白を作ることを意識してみてください。つまり、現状で10割物が入っているならそれを7割に減らすようにします。物を7割程度に抑えることで何が入っているのか確認しやすくなり、物を取り出しやすくもなります。また、これから新たな物が増えても収納に困りません。
●一気に進めず、少しずつ継続して行う
スケジュールを作成する必要性については前述しましたが、無理をせずに少しずつ継続していくことも重要です。終活は、自分自身と、やがてくる死と向き合うための活動です。そのひとつとして断捨離を捉えるのであれば、一気にやろうとせずに少しずつ丁寧に行っていきましょう。
仕分けした不用品の処分方法は?
断捨離を行い不用品がまとまると、次の課題となるのが不用品の処分です。不用品の処分方法は、大きく分けると「捨てる」「寄付する」「売る」の3つの選択肢があります。以下の5つの方法の中から、不用品の種類や状態に合わせて最適な方法を選びましょう。
●一般ごみとして処分する
燃えるゴミや燃えないゴミに分類されるものは、一般ゴミとして出しましょう。出し方については自治体ごとのルールに従ってください。また、粗大ゴミに該当するものは粗大ゴミとして廃棄を。粗大ゴミを出す際にはお金がかかりますが、不用品業者などに回収・処分してもらうよりも安く済みます。ただし、ご自身で集積場に持っていかなければならないというデメリットもあります。
●リサイクルショップを活用する
不要品をリサイクルショップに売ったり、引き取って処分してもらったりすることも可能です。お店によっては車で引き取りに来てくれることもあります。
●フリマアプリやインターネットオークションで売却する
自分にはもう不要だけどまだ使える物・状態のきれいなものは、フリマアプリやネットオークションサイトで出品することもできます。購入希望者との値段交渉や発送手配などをご自身でしなければならないので多少手間はかかりますが、良い値段で買い取ってもらえることもあります。
●団体に寄付する
まだ着ることのできる服や書籍などは、しかるべき団体に寄付することも可能です。団体によって扱っているものの種類が異なりますので、詳しくは検索してみてください。
●不用品買取業者に依頼する
不用品買取業者に回収・処分してもらう方法もあります。自宅まで引き取りにきてくれるので、運ぶのが大変な大型家具や家電がある方や、処分したいものの数が多い方にとっては便利です。まだ使えるものや状態の良いもの・新しいものは買い取ってくれることもあります。
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不用品を処分する際に注意すべきポイント
終活や断捨離で不用品を処分する際には、注意しないとさまざまなトラブルに発展する可能性があります。不要なトラブルを避けるためにも、不用品の処分の際には以下の点に留意して進めましょう。
●パートナーや家族に確認をとる
家の中のものを勝手に処分して家族やパートナーと喧嘩になる…といった事態は避けたいものですね。ご自身にとっては不要と判断したものも、他の人にとっては必要なもの・大切なものである場合も。トラブルを防ぐために、不用品を処分する前に必ずパートナーや家族に確認をとるようにしましょう。
●大きな音を出さないように注意する
断捨離で家の中を整理したり掃除したり物を運搬したりする際には、意外と大きな音が出るものです。特にマンションにお住まいの方は、お隣や下の階の方に迷惑をかけてしまう恐れがあります。特に運搬時には騒音に注意を。台車で物を運ぶ場合は、走行音の出にくい台車を利用することをおすすめします。また、断捨離作業は夜間ではなく日中に行うようにしましょう。
●美術品・骨董品の処分は慎重に
断捨離をしていく中で、骨董品や美術品をとっておくか処分するか迷うことがあるかもしれません。骨董品や美術品の中には、驚くべき価値があるものが含まれている可能性があります。ご自身で判断して処分してしまう前に、一度買取専門店で査定を受けることをおすすめします。
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まとめ
終活は、いわば人生の最終調整。残された人生をより良いものにするためのとても大事な活動です。「何から始めればいいかわからない」という方は、まずは身の周りの物を整理して不用品を処分する断捨離を行ってみてはいかがでしょうか。
また、断捨離を行う際には、合わせて不用品の処分方法についても考えておきましょう。中には、価値の高いものが不用品の中に含まれている可能性もあります。仕分けを行っている際に、美術品や骨董品など価値の判断ができないものが出てきた際には、ぜひ一度査定を行っている業者に相談してみてください。