遺品整理で祖母の着物が出てきた。着物の処分方法とは?
遺品整理は故人を偲び、前を向く大切な行為。遺品整理でご家族の大切にしていた古い着物が出てきた……。でも自分が着るにはサイズが違ったり、着付けができなかったり、とはいえそのまま捨てるのは心苦しくどのように処分したら良いのか分からない。そんな方のために、この記事では着物の処分方法を解説します。
遺品整理で着物が。まずやるべきことは?
遺品整理で古い着物が出てきたときに、やるべきことを解説します。
遺言書の有無を確認する
まずは遺言書が無いか確認しましょう。もし遺言状に着物の相続について記載されていた場合は、その人に連絡をする必要があります。
自筆遺言のほか、公正証書遺言が作成されている可能性もあるので、弁護士や公正証書役場に相談してみるのも一案です。
親族に伝え、処分方法を検討する
遺品を整理して出てきた着物の中には、有名な作家の作品や希少価値の高いものがあるかもしれません。一人の判断で処分方法を決めてしまうとトラブルになる可能性があります。
また故人と着物に対して特別な思い入れを持っている人がいるかもしれません。故人にまつわる思い出話をしながら親族全員で処分方法を決めていきましょう。
証紙や小物は捨てずに保管する
着物や反物には、価値と品質を証明する「証紙」が付いています。証紙があると価値が保証されやすくなるため、捨てずに保管しておきましょう。
査定に出す場合は、襦袢・帯・バッグ・かんざしなどの小物もある場合はまとめてお願いしましょう。セットにすることで査定額が上がる可能性があります。
捨てる場合は、着物の廃棄方法を確認
遺品の着物を早く手放したい場合や、枚数が少ない場合は、ゴミとして処分することになります。各自治体によってゴミ出しのルールが異なりますので、あらかじめ確認してから処分しましょう。多くの場合は可燃ゴミか古着・着物類の資源ゴミとしての分類となるようです。枚数が多い場合は粗大ゴミとなることもあります。以下に一例をご紹介します。
松戸市……一般の古着とは分け、有料の可燃ゴミ扱いになります。
大阪市……乾いたものであれば衣類の収集日に出すことができます。その場合は中身の見えるビニール袋に入れましょう。濡れている場合や、汚れがひどい場合は可燃ゴミとなります。
神戸市……着物は資源ゴミとなります。
京都市……着物は資源ゴミとなります。汚れの酷いものは可燃ゴミになります。
廃棄以外にも選択肢が。遺品整理で出た着物を処分する5つの方法
着物の処分を急がない場合は、廃棄する以外にもいくつか選択肢があります。ここでは、代表的なものを5つご紹介します。
1.自宅で保管する
故人の思い出がつまった着物ですから、大切に保管するのも一つの方法です。思い入れがあるものを数枚選び、丁寧にたたんで「たとう紙」に包み、着物用の箪笥で保管しましょう。ときどき風通しや虫干しなどの手入れをする必要があります。
親族で形見分けや、故人の友人に贈るのも良い方法です。しかし贈ると思いがけず迷惑になってしまう可能性もあります。相手の好みや年齢を考えて、本当に喜んでくれる人に、喜んでもらえるものを贈りましょう。
2.リメイクして再利用する
着物は体形に合わせて縫製されているので、同じような体形ならそのまま着ることができます。体形が違う場合は専門業者に仕立て直してもらうことも可能ですが、当然時間と費用がかかります。
着物を着ない方は、洋服への仕立て直しや、バッグやクッションなどの普段使うものにリメイクするのもおすすめです。巾着などの和風小物、かんざしなどのヘア小物、バッグ、テディベアなどのぬいぐるみは特に人気があります。手芸品にリメイクしてくれるお店もあるので、リメイクしたいものを作ってくれて、センスが合いそうなお店を探してみましょう。
3.リサイクルショップで売却する
着物をリサイクルショップで売却する方法もあります。着物を捨ててしまうのはもったいないと感じてしまう人にはおすすめ。都合のいい時にお店に持ち込むことができるので便利です。着物として買取をしているリサイクルショップは少なく、多くのリサイクルショップでは着物の価値を見るよりも古い衣服としての査定となります。高級な着物だった場合でも、残念ながら高額の買取は期待できません。
4.ネットオークションやフリマアプリで売却する
綺麗な着物の場合はオークションやフリマアプリを使って自分で売るのも手。時間があり、ネットオークションやフリマアプリに慣れている人にはおすすめです。気に入った人が見つけてくれれば、想定以上に高く売れる可能性もあります。一方でご自身が着物の価値を分かっていないと高級な着物を安価で売却してしまうことも。必ず売れるとは限りませんし、登録料や販売手数料、送料がかかってしまうこともあります。
着物をご自身でリメイクしたものをハンドメイド品として売るということも可能です。
5.買取業者へ依頼して買い取ってもらう
着物を売りたい場合、買取業者に依頼するのが一番おすすめです。知識・経験豊富な担当者が適正価格で査定してくれます。一着ずつきちんと査定をしてくれるので、納得のいく価格で売却することができ、その場で現金を受け取れることも。また自宅まで来てくれる出張買取を行っている業者にお願いすれば、ご自身で持ち込む手間も省くことができます。汚れている着物は買取対象外になる場合もありますが、ものによっては買い取ってもらえることもあるので、悩んでいる場合は一度相談をしてみましょう。買い取られた着物は買取業者のルートに乗り、国内だけでなく海外でも販売されることもあります。無駄に処分するのではなく、次に使ってくれる人へ渡せる方法です。
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着物の買取を依頼する際のポイント
着物の買取業者では、プロが一着ずつ丁寧に査定してくれます。着物をできるだけ高く売るために気を付けたい簡単なポイントをご紹介します。
証紙があれば一緒に出す
着物を仕立てる前の反物には、「証紙」という紙が付いています。証紙は産地や素材、織元を証明するもので、有名産地の織物や伝統工芸品に指定されているようなものについています。着物に仕立てたときに要らないからと捨ててしまう人も多いのですが、残っていれば一目で価値が分かるため、買い取り額アップが期待できます。反物の産地のほか、有名作家の作品であれば高価買取となります。また、昭和初期までの着物は「アンティーク着物」として人気なので、色や柄によっては高額になるものも。
帯や和装小物も一緒に売る
故人が着物を着ていたとき合わせていた小物も残っているのであれば、まとめて査定してもらいましょう。帯・長襦袢・かんざし・バッグ・帯締め・草履などの小物も一緒だと、買取額アップが期待できます。
においやホコリは可能な範囲で除去する
いくら古い着物だとはいえ、においやホコリが酷いものはマイナスイメージに繋がります。査定をお願いする前に、できるだけ風通しを良くしてにおいを取り、乾いたタオルなどでホコリを拭きとっておくのがおすすめです。
着物の専門家がいる業者に依頼する
買取業者に依頼する際は、できるだけ大手の、着物の専門家がいる業者にお願いすると安心です。大手の業者は出張買取や宅配買取などに対応しており、クーリングオフが適用されるなどアフターフォローも充実しています。専門業者は独自の販路を持っているため、買取価格も多少高くなることが見込めます。着物の価値を見極めるのは専門的な知識が必要になりますが、買取業者の中にはあまり着物が得意でない業者もあります。知名度の低い業者だと、専門家がいないばかりか悪徳業者がまぎれており、トラブルに繋がってしまう可能性もあります。
気になった場合は、まずは無料で査定してもらいましょう。業者が自宅へ来てくれる出張買取では目の前で査定をしてくれるので値段がつかなかったものは売らずに手元に置いておくことができます。業者へ着物を送り査定を依頼する宅配買取では、値段がつかなかったものは無料で引き取ってくれることが多いので、とにかく処分したい人におすすめです。
高額査定された場合は相続税に注意
現金化できる遺品の着物は、形見であっても「相続財産」とみなされます。金額によっては相続税が発生し、高額であればあるほど税の負担は大きくなります。着物を売る時期にも注意が必要です。相続する財産よりも借金が多い場合は相続放棄をすることができますが、相続放棄をする前に着物を売ってしまっていると相続の意志があるとみなされ、相続放棄ができなくなることもあります。4~5万円以上する着物がある場合は、税理士に相談すると安心です。すぐに売却してしまうのではなく、まずは無料査定をして価値を確認してから、売る時期を検討していくのがいいでしょう。
まとめ
日常からハレの日まで、さまざまな故人との思い出を語ってくれるであろう着物たち。大切な着物ですから、遺品整理後に買取をお願いする場合は、専門のスタッフがいる業者がおすすめです。古い着物の中には、思わぬ価値のあるものがまぎれているかもしれません。
古美術八光堂では、専門のスタッフが豊富な知識と経験により着物の査定をいたします。多少の汚れがあったとしても高額買取できる場合もありますので、お気軽にご相談ください。
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