第1回:コンテンポラリー・アーティスト高木健太さん vol.1
――絵画を描き始めたきっかけはありますか?
大学在学時に、あまり勉強が好きではなくて、授業中に中学生や高校生が教科書に落書きするような、、、
そんな感じで始めたのが第一歩だったと思います。
――もともと絵を描くことはお好きだったのですか?
全く描いたことがなくて、むしろ中学・高校時代の美術の成績はひどいものでした。
どちらかと言うと苦手な方ではありました。
――実際に描き始めて面白くなっていったという感じですか?
そうですね。集中して描くことで時間を忘れて自分の世界に入り込めるという感覚ですね。
――製作するにあたって分岐点になったような出来事はありますか?
分岐点?うーん、、、大学の時にレッドブルジャパンさんが開催しているグーグルアートコンテストというイベントがあったんですよ。
落書きアートの一番を決めるといったコンセプトの。僕自身、風景とか人物画など描くことが上手くないので、、、
その落書きコンテストを見た時に「これだったら自分でも出来るんじゃないか」みたいな。あとは純粋に「格好イイな」と思いました。
その経験は分岐点になったかもしれませんね。
――抽象的な作品を多く描いていますが、どのような場面で思いつくのですか?
特にどういった場面でというのは無くて「ふと描きたい」と思った時に描きます。
最初は完成イメージなどもありません。僕の場合は下書きも行いませんので感覚で描いていきます。
――風景画など写実的な作品が苦手とのことでしたが、今のところ描いたりしていないのですか?
描いたこともあるんですが、多分上手くないと思いますし、自分が描いた風景画を好きになれない。格好良くないと思います。
――主に使用している画材は?
基本は紙かキャンバスに描いていきます。絵の具を使う時はキャンバスを多用します。でもどちらかと言うとインクペン1本で描き上げることが僕は好きです。
どこにでも売っているマッキーのようなペンで。
――それは拘りという部分なのでしょうか?
うーん、、、まぁ、なんでしょう、、細い線が好きなんですよ。細い線の集合体みたいな。
――色を付けることは少ないですか?
やるんですけど、どちらかと言うと白黒が好きです。
――色を付ける場合は頭に浮かんだ色を絵に落とし込んでいくのですか?
頭には浮かばないんですよ、まず。ペンの進むままと言うか。完成図も全くありませんし。
描き終わった時に「こういった絵になった」という感じですね。
――「こういった絵を描きたい」と思って描き出すこともあるのですか?
あまり無いですね。何となくのイメージを持って描くこともあるんですが、イメージ通り進んでいくこはありません。
感覚で描く部分が大きいですね。
――作品1点を製作する過程を教えていただけますか?
家で描くことが多いです。絵の具を使う場合は1~2時間ほどで描き上げてしまいます。
自分の中で得意というか、好きな作風である白黒のペン1本で描く作品は、物によっては半年ほどかけて少しずつ描き足していきます。
――作品を同時進行で進めていく場合もあるのですか?
はい、描きかけの絵がたくさんあります。「今日はこっちを描こう」とか「今日はこっちを描いてみよう」みたいな。
描きかけの絵が沢山ある中で、特に力を入れて描いている作品があって、そういう作品に対しては気合を入れないと描けないですね。
――では本当に描いている仮定を楽しまれている感じですね?
かもしれないですね。ちょっとずつ描き足していくので「あっこういう感じになってきた」みたいな。
――最終目標は設定していないんですよね?
そうですね。
vol.2へ続く…