鉄瓶の基本の手入れをマスターしよう!サビがついたときの対処方法も解説
鉄瓶は近年、工芸品としてだけでなく健康面からも注目されています。お手入れが大変そうだと思ってしまうかもしれませんが、使い始め・毎回の使用後に正しいお手入れをしていけば、100年以上も使うことができるといわれています。鉄瓶は性質上、サビてしまうのは仕方がないこと。鉄瓶にうっかりサビが付いてしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。この記事では、鉄瓶のお手入れの基本とサビがついたときの対処法をご紹介します。扱いをマスターして、お気に入りの鉄瓶を長く使っていきましょう!
鉄瓶とは?
お湯を沸かすための鉄製の道具、鉄瓶。岩手県の特産品である「南部鉄器」が有名です。ヤカンと同様、直火でお湯を沸かすことができます。鉄瓶はヤカンや電子ケトルなどに比べて手間がかかりますが、その分嬉しい効果があります。水道水の塩素が抜けてお湯の味がまろやかになり、お湯に溶けだした鉄分は貧血予防に効果があるともされています。
見た目がよく似たものに「鉄急須」がありますが、こちらは直火にかけることができず、中にホーロー加工がしてあるため、鉄瓶のような効果は期待できません。
鉄瓶のお手入れはなぜ必要?
鉄瓶のお手入れはなぜ必要なのでしょうか。
鉄瓶のお手入れが必要な理由は「サビ」予防
鉄瓶は鉄でできているため、お手入れをせずに使っているとすぐにサビてしまいます。サビを発生させないために、鉄瓶は使用するたびにお手入れが必要です。
お手入れが必要なサビとそうでないサビの違いは?
気付いたら鉄瓶の内側にサビが……!鉄瓶のサビには、お手入れが必要なサビと不要なサビの2種類があります。まずはお湯を沸かしてみて判断しましょう。鉄瓶で沸かしたお湯が赤っぽくなっている・金属臭い場合は鉄の腐食原因である赤サビです。お湯の味に影響してしまうため、手入れが必要です。
逆にこれらの症状が無い場合は手入れ不要なサビなのでそのまま使用し続けられます。
鉄瓶の基本のお手入れとサビがついたとき対処方法
サビの原因は鉄瓶に水分が残っていること。鉄瓶のお手入れは大変だと思われるかもしれませんが、基本は「内部に触れない・濡れたままにしない」ということだけで、とてもシンプルです。またうっかり鉄瓶がサビてしまっても、サビを取ればまた使用できます。基本のお手入れとサビを取る方法をご紹介します。
使用するときの基本のお手入れ
鉄瓶を使用するときの基本的なお手入れの方法は以下です。
1.鉄瓶に残ったお湯をすべて捨てる
沸かしたお湯はそのままにせず、捨てるかポットなどに移すなどしてかならず空の状態にしましょう。内部に洗剤をつけて洗うと却ってサビが発生しやすくなってしまいます。
2.鉄瓶を完全に乾燥させる
蓋を取り、軽く空焚きをするなどして内部を完全に乾燥させます。
3.表面に付着した水分もすべて拭き取る
鉄瓶の熱が冷めたら、キッチンペーパーや乾いた布などで表面に付着している水分をすべて拭き取ります。その際内部に手を触れないようにしましょう。風通しが良いところで保管します。
サビが付いたときの対処方法
サビが付いてしまったらどのように対処すればいいのでしょうか。
鉄瓶のサビ取りに必要なのは、緑茶の茶殻と出汁取り用のパックだけ。簡単なサビ取り方法をご紹介します。
1.鉄瓶に水・茶殻を入れて火にかける
蓋をはずした鉄瓶に水を8分目くらいまで入れます。さらに出汁取り用のパックなどにつめた茶殻を入れ、弱~中火で熱します。サビが酷い場合は最初にたわし等で軽くこすってから行いますが、内部に傷がつかないように注意しましょう。
2.蒸発して水が半分程度になるまで火にかける(30分程度)
30分程度茶殻を煮出し、お湯の色が黒っぽくなっているのを確認したら火を止めます。茶殻に含まれるタンニンとサビが反応し、黒サビへと変化しています。黒サビは鉄の腐食原因である赤サビを落ち着かせる効果があります。
3.水をつぎたし1日放置する
茶殻は入れたままで、溢れない程度に水をつぎ足します。その状態で1日放置します。
※通常の使用時は水を入れたまま放置することは止めましょう。
4.水と茶殻を取り出して軽くゆすぎ、お湯をわかす
黒っぽくなっている水と茶殻を捨て、内部を軽くすすぎます。
5.お湯をわかして水が透明であれば完了
通常通りにお湯をわかして、お湯の色が透明であれば完了です。最後に空焚きし内部をしっかり乾かしてあげましょう。
6.サビが残っている場合はたわしでこするか1~5を繰り返す
サビが残っていてお湯の色やにおいが気になる場合は、たわし等で軽くこすって1~5を繰り返します。
サビを予防方法!「湯垢」をつくろう
鉄瓶を使い始める最初の1ヵ月は、サビを防止するために「湯垢」をつける工程を行います。
湯垢とは
湯垢とは、鉄瓶を使用しているうちに内側にできる白い膜のこと。白い膜は硬度の高い水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが結晶化してできています。使い始めに湯垢をつけることで、鉄瓶の内部にできる赤サビを防止する効果があります。
湯垢の作り方
1.鉄瓶を水でゆすぐ
鉄瓶に水を入れゆすぎます。その際、内部には触れないように注意しましょう。
2.鉄瓶に水を入れる
水道水・硬水のミネラルウォーターなどを8分目くらいまで入れます。ミネラルの含有量が多い水だと湯垢が付きやすくなります。
3.鉄瓶でお湯を沸かす
吹きこぼれないように蓋を取り、お湯を沸かします。20分ほど沸騰させます。
4.お湯を鉄瓶からポットなどに移す
沸かしたお湯をポットに移す・捨てるなどして、鉄瓶を空にします。
5.蓋を外し、余熱や空焚きで内部を乾かす
内部をしっかりと乾かします。これを1ヵ月ほど続けると湯垢ができあがります。
湯垢以外のサビ予防
サビをつけないために、日頃から下記の方法で予防していきましょう。
空焚きのしすぎに注意
空たきはサビ予防に効果的ですが、空たきをしすぎると破損に繋がる可能性も。
風通しの良いところで保管
鉄瓶はとくに湿気を嫌うので、風通しの良いところに保管しましょう。
洗浄は軽くすすぐのみにする
鉄瓶内部はサビにくいように処理が施されています。使用後は軽くすすぐのみにして、こすったり洗剤をつけたりしないようにしましょう。
サビや穴あきで使えなくなったときは?買取業者に依頼
鉄瓶にひどいサビがついた場合や穴が開いてしまった場合、手放すことを検討する方もいらっしゃると思います。鉄瓶はデザイン性が高く人気の工芸品のため、捨ててしまうよりも修理や買取業者に査定を依頼することがおすすめです。
購入したメーカー・店舗に修理を依頼
まずは鉄瓶を購入したメーカーや店舗に修理ができるか確認しましょう。自分で手入れをしようとすると、価値を損ねてしまう可能性があります。購入したお店でなくても修理をしてくれる工房もありますので、インターネットなどで検索し問い合わせをしてみましょう。
骨董品買取店などに依頼する
鉄瓶を手放すことを検討している場合、骨董品の買取店に依頼をするのがおすすめです。カビや破損があったとしても、作家によっては高額になる可能性もあります。
例えば、人気ブランドである龍文堂の作品は年代物であれば数百万円以上、金龍堂や亀文堂、金寿堂の作品であれば数十万円の値がつくものも。無名作家の作品であっても、質のよいものであれば数万円で取引されている鉄瓶もあります。
買取店を選ぶ際のポイント
買取店を選ぶ際には以下のポイントに注意してください。
専門スタッフがいるかどうか
鉄瓶は日常品として使われることが多く、デザイン性も高いため、今後も多くの需要が見込まれます。しかし日々価格が変動しているため、熟練した専門スタッフがいない買取店だと安い価格で買い取られてしまう場合があります。常に最新の正しい価値を判断できる専門スタッフがいるお店に相談するのがおすすめです。
実績のある業者かどうか
鉄瓶の買取実績が多い業者の場合は、高く売却できるルートを持っているため、高く売却できる可能性が高まります。欲しい人に橋渡しをしてくれる業者にお願いしましょう。
出張買取や出張鑑定会などを実施しているかどうか
出張買取や出張鑑定会などを実施している業者であれば、わざわざお店まで出向く必要がないため気軽に依頼することができます。相談・見積もり・査定・出張費・買取手数料がすべて無料の業者もあります。クーリングオフが適応される業者、現金買取が可能な業者など、ご希望に合った業者にお願いしましょう。
鉄瓶高額買取
まとめ
古くから私たちの日常に溶け込んでいる鉄瓶。お気に入りの鉄瓶があると生活が豊かになることでしょう。
最近では貧血予防や、カラフルなものやデザイン性の高いものなどが販売され、若者からも支持を集めています。日頃のお手入れを行って、長く使っていきたいものですね。
もし不要な鉄瓶をお持ちの方は、骨董品の買取業者に相談しましょう。
古美術八光堂では、鉄瓶の買取を行っています。専門の鑑定士がいますので、価値を正しく判断し、適正な査定額をつけることができます。ご自宅に不要な鉄瓶がある方は、ぜひご相談ください。
鉄瓶高額買取