海の宝石・珊瑚。長く使うための手入れ・保管方法。買取相場も
珊瑚(さんご)は海の宝石と呼ばれており、古来よりアクセサリー・工芸品・仏像など身近なものに加工されてきました。上品な雰囲気を醸し出し、柔らかく個性的なデザインに加工できることで現在でも装飾品として高い人気を誇ります。珊瑚にはさまざまな色がありますが、特に人気があるのは赤い珊瑚。深い赤は「血赤」「オックスブラッド」と呼ばれ、最高級品とされています。
しかし、購入したときは美しい色だった珊瑚も、時間の経過や何もお手入れをしないでいると色あせてしまう可能性も。この記事では、珊瑚を長く使うために必要なお手入れ方法をご紹介。また、劣化してしまった珊瑚や、好みが変わってしまって不要となってしまった珊瑚を売却する場合の買取相場についても解説していきます。
珊瑚とは?
珊瑚の特性・産地・歴史
珊瑚は、海に生息している「サンゴ虫」という生物の骨格部分から作られています。
珊瑚が人類の生活に使われ始めたのはなんと紀元前から。ドイツの旧石器時代の遺跡から珊瑚が見つかっており、装飾品・祭祀のための道具・護符などとして活用されていました。日本に珊瑚が伝わったのは奈良時代のこと。明治時代になると日本近海でも珊瑚漁が行われることとなりました。
世界中で愛されている珊瑚ですが、産地は限られています。珊瑚の一大産地はスペイン・イタリア・ギリシアなどの地中海。そこでは最高級品とされる赤い珊瑚が採取され、高いグレードが付けられています。また、北太平洋のハワイやミッドウェー島では、白珊瑚と呼ばれる淡い色をしたものが採取されます。日本では高知県の土佐沖や沖縄・小笠原列島・五島列島・奄美などが代表的な産地です。
珊瑚の種類
ひとくちに珊瑚といってもさまざま。いくつかの種類をご紹介します。
赤珊瑚
赤い色をした珊瑚で、珊瑚の中でも最高級品とされています。主な産地はイタリア・スペイン・ギリシアなどの地中海。特に深紅のものは「血赤珊瑚」「オックスブラッド」と呼ばれて愛されています。
ピンク珊瑚
日本ではピンク色の珊瑚を「ぼけ」と呼んでいます。「本ぼけ」と呼ばれる淡い色合いをしたピンク珊瑚は、赤珊瑚と同様に人気があります。
白珊瑚
白珊瑚は、雪のような色合いと光沢が人気です。白さを際立たせるために漂白処理されているものも。主な原産地は北太平洋のハワイやミッドウェー島です。
黒珊瑚
黒珊瑚は、密度が高く鉄のようなツヤを持つ珊瑚です。シックなアクセサリーにぴったりで、近年注目を集めています。
珊瑚の選び方
珊瑚の特徴は、個性的な光沢にあります。珊瑚のアクセサリーの選び方をご紹介します。
デザイン・作品のタイプから選ぶ
珊瑚は柔らかく加工しやすいため、もとの枝状の形を活かしたり、繊細な彫刻を施したりと、デザインも豊富です。中でもドーム状のカボションカットや玉状に磨いたものが特に人気があります。他の宝石とは質感が違っているため、「脇石」として使用されているものでも存在感と個性を感じさせます。また、彫刻を施さない原木の作品も人気があります。
座金から選ぶ
欲しい珊瑚の色が決まっているなら、それに合った座金を考えるのも楽しい選び方のひとつです。深紅の赤珊瑚や近年人気の黒珊瑚など、濃い色の珊瑚であればプラチナやホワイトゴールドなどの白系の座金がおすすめ。ピンクなどの淡い色合いの珊瑚であれば、暖色系の貴金属がぴったりです。
珊瑚の価値から選ぶ
珊瑚自体の価値が高いものを選ぶのもおすすめ。最も価値が高いとされるものは、全体が均一に赤い「オックスブラッド」「血赤」と呼ばれている赤珊瑚です。赤珊瑚の10mm以上の丸玉は珍しく、最高級品とされています。また、近年では淡いピンク色の「エンジェルスキン」「本ぼけ」と呼ばれる珊瑚も優しい雰囲気のアクセサリーに合うため人気が高いです。
珊瑚の手入れのポイント
珊瑚は生物から作られているため非常にデリケートな素材です。美しさを保つために日頃からメンテナンスを行うことも大切です。
珊瑚の美しさを維持するには手入れが重要
珊瑚は「炭酸カルシウム」が主成分です。炭酸カルシウムは酸に溶けやすい性質を持っているため、変色や色あせを起こしやすくなっています。
珊瑚を変色させてしまう主な原因の一つが「汗」。あまり肌に触れないように身に着け、着用後は汗やほこりを柔らかい乾いた布で拭き取ってから保管しましょう。
自分で手入れする方法
珊瑚を自分でお手入れするときは、柔らかい乾いた布で優しく拭きましょう。汗や指紋、ほこりを拭き取った後、箱に入れて保管します。
濡れたタオルや洗剤を含んだ布で拭いたり強くこすったりするのは、傷や色あせの原因になるので絶対にやめましょう。
専門店で手入れする方法
丁寧に使っていても、時間と共に光沢が失われ長年の汚れが蓄積してしまうこともあるはず。
自宅でのお手入れでは汚れが取れない場合、専門店にメンテナンスをお願いしましょう。珊瑚を磨いたり表面を薄く削ったりして、ツヤのある美しさを取り戻すことができます。
珊瑚をキレイに保管する方法
デリケートな性質を持つ珊瑚は保管する際にも注意をしましょう。
珊瑚は繊細!保管のポイント
傷つきやすい
珊瑚は他の宝石と比べて硬度が低く傷つきやすい素材です。ぶつけたり擦ったりしないように注意して保管しましょう。
熱や紫外線に弱い
珊瑚はもともと海の中の生物なので、熱や紫外線が苦手です。暖房のそばや直射日光が当たる場所は避け、風通しが良い涼しい場所に保管するようにしましょう。
水分によって劣化する
珊瑚には目に見えない無数の空洞があります。そこに水分が入ると珊瑚の成分が溶け出し劣化の原因となってしまいます。
汗や化粧品で劣化する
アクセサリーとして人気の珊瑚ですが、汗や化粧品により劣化してしまうことも。汚れたときはすぐに乾いた柔らかい布で優しく拭き取りましょう。
ジュエリー同士の擦れで劣化することも
他のジュエリーと一緒に保管していると、ジュエリー同士が擦れて劣化してしまう危険性があります。そのため他のジュエリーと分けて個別に保管するなど、なるべく他のものと擦れないようにすることが大切です。
珊瑚のおすすめ保管方法
ビニールに入れる
珊瑚に空気中の成分が触れないようにするため、ビニール袋に入れて保管しましょう。
個別で保管する
他のジュエリーなどと擦れて傷がついてしまうことを防ぐため、個別に保管しましょう。
通気が良く、湿気や熱がこもらないところに保管する
水分や熱に触れて変質してしまうことを防ぐため、通気性が良く湿気や熱がこもらないところに保管しましょう。
珊瑚の状態・価値の確認方法と買取相場
不要となった珊瑚をお持ちの場合、すぐに捨ててしまうのではなく査定に出してみるのがおすすめです。なるべく高く買い取ってもらうために、買取専門店が珊瑚の価値を判断する際にどの部分を確認するのか知っておきましょう。
状態と価値の確認方法
大きさ
珊瑚はゆっくりと成長するため、サイズの大きいものはとても貴重です。10mmを超えるものは価値が大幅に上がります。
形(ナリ)
珊瑚の形のことを「ナリ」といいます。真円に近いほど高く評価されます。
虫食い穴
珊瑚は生物由来ですから、成長過程で虫食い穴が発生してしまうことも。本来加工する時に目立たないよう取り除かれますが、取り切れてないものや穴の跡が残っていると価値が下がってしまいます。
色
さまざまな色がある珊瑚。中でも最も人気で高く評価されるのは、赤珊瑚と呼ばれる深紅の珊瑚です。
珊瑚の買取相場
古美術八光堂の買取実績から、具体的な珊瑚の買取相場をご紹介します。アクセサリーであれば10~40万円程度で取引されています。珊瑚の原木も大変貴重です。桃色珊瑚の原木であれば11万円。血赤珊瑚の原木であれば350万円の値が付くものも。なお、この金額は買取当時の金額です。相場の変動や作品の状態によって金額は変わるということを覚えておきましょう。
買取店を選ぶ際のポイント
実際に珊瑚を売りたいと考えたとき、買取店はどのようなポイントで選べば良いのでしょうか。
専門の鑑定士がいる
珊瑚に関する専門の鑑定士がいる買取業者であれば、正しい価値を判断して適正な価格で買い取りしてもらうことができます。
接客が丁寧
接客が丁寧な会社であれば、気持ちよく取引をすることができます。きめ細かいサービスが行き届いている証でもあります。
買取実績が豊富
買取実績が豊富な業者の場合は高く売却できるルートを持っています。また、過去の利用者が多ければそれだけ安心できる業者だといえます。
メディアにも露出がある
メディアに露出がある買取業者であれば、豊富な知識と経験がある業者であることが多くの人から保証されているといえます。
アフターサービス・フォローがしっかりしている
大切な品ですから、売却を決めた後に後悔することがあるかもしれません。クーリングオフが適応され8日以内に返品・キャンセル可能など、アフターサービス・フォローがしっかりしている業者であれば安心してお願いすることが出来ます。
珊瑚高額買取
まとめ
珊瑚は、アクセサリー、仏像、工芸品など、古来よりさまざまなものに加工されてきました。他の宝石とは違う独特の色合いやツヤは、今なお人々を魅了し続けています。デリケートな素材のため日々のお手入れが必要ですが、使い続けるうちにさらに愛着がわいてくることでしょう。
古くなった珊瑚をどうしても手放したい場合には、買取専門店がおすすめです。古美術八光堂では、知識と経験豊富なスタッフが丁寧に鑑定いたします。汚れや傷があっても高値で取引されているものもあります。珊瑚の処分方法でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
珊瑚高額買取