遺品整理業者と不用品回収業者はどう違う?遺品整理の流れと業者選びのポイントを解説!
亡くなった方が過ごした部屋には多くの思い出の品が残されています。いつまでも保管しておきたいものですが、本当に大切なもの以外はいつか処分しなければなりません。故人の持ち物を整理・処分することを「遺品整理」といいます。
遺品整理は持ち物を処分するだけの単純な作業ではありません。気力・体力ともに負担が大きい作業です。悲しみが蘇ったり、手元に残したい思いが強まったりと、なかなか遺品整理が進まないことも。このようにご自身で全て片付けるのは難しい場合は、「遺品整理業者」や「不用品回収業者」にお願いすることになります。
この記事では、2つの業者の違いと、依頼時の流れや業者選びのポイントをご紹介します。
遺品整理と不用品回収の違いは?
遺品整理と不用品回収はどちらも同じように感じられるかもしれませんが、根本的に違う業務です。具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
「遺品」と「不用品」処分の違い
遺品整理とは
遺品整理とは、故人の持ち物を大切な遺品として整理・片付けること。整理する上で必要な仕分け・搬出・運搬・供養・部屋の清掃などの作業全般のことをいいます。
不用品回収とは
不用品回収とは、家にある不要な家具や家電・ごみなどを回収すること。買取ができるものは適正価格で買取を、できないものは無償回収や必要な処分を行います。
処分方法の違い
遺品整理
遺品整理は、ご自身の手で行う方法と遺品整理業者が行なう方法があります。業者に依頼した場合、基本的にはすぐに廃棄することはなく遺族に品物を確認し不要と判断したもののみを買取・処分します。また、仏壇や位牌などは供養も行なってくれるなど、必要な処理を行います。
不用品回収
不用品回収は、遺品の整理を遺族が行なったあと、不要と判断したものを回収して処分します。回収するものが遺品かどうかは関係ありません。
手続きの違い
遺品整理
整理した遺品に価値があったとき、相続人が複数いる場合は分割協議が必要になります。分割協議とは、相続人同士が納得できるように遺産の配分や形見分けを決める話し合いのこと。
不用品回収
手続きなどは必要ありません。
相続人の有無
遺品整理
遺品整理を行う人は、ほとんどの場合相続人のうちの1人です。品物を処分するかどうかは相続人が決めることになります。相続人が複数いる場合は、全員が納得いくように協議を行って整理をします。
不用品回収
不用品回収には相続は関係ありません。依頼人の意志によって自由に処分が可能です。
故人の遺志の有無
遺品整理
遺品整理は、遺言状がある場合はその内容に従うなど、故人の遺志を尊重して進められます。
不用品回収
故人の遺志に関係なく、不要なものを処分する作業です。
遺品整理業者と不用品回収業者のメリット・デメリット
遺品整理業者と不用品回収業者に依頼する場合、それぞれにメリット・デメリットがあります。
遺品整理のメリット・デメリット
メリット
遺品整理業者のメリットは、遺品整理にまつわる全ての作業を任せられる点にあります。例えば貴重品・衣類の仕分け・室内の清掃・不用品の処分・回収など、遺品整理のプロが速やかに作業するので、遺族の精神的・体力的な負担が少なく進められます。それだけでなく必要であれば印鑑や契約書類などの貴重品の捜索も行ないます。また細かい雑貨や手紙なども含めて故人の私物の全てを整理し、適した対応をしてくれます。
デメリット
遺品の量や捜索によって作業時間が変動し、料金が高くなってしまう場合があります。
不用品回収のメリット・デメリット
メリット
不用品回収業者のメリットは、遺品整理業者に比べると料金が安い点です。すでに遺族の手で整理された不用品の回収のみを行うため、業者の作業自体は短時間で行なわれます。
デメリット
不用品を回収するのみなので、遺品の仕分けや室内の清掃は行いません。依頼前にあらかじめ整理しておき、不用品を選別しておくことが必要です。廃棄してはいけないものがあったとしても気付かず回収してしまう恐れも。
遺品整理業者と不用品回収業者、どちらを選ぶ?
遺品を片付ける際、遺品整理業者と不用品回収業者のどちらを利用するのが良いのでしょうか。ご自身の状況により異なりますので、それぞれ解説していきます。
遺品整理業者はこんな方におすすめ
遺品整理にまつわるさまざまな事柄を相談したい方は、遺品整理業者に依頼するのがおすすめです。遺品整理業者は単に整理をするだけではありません。遺品から売却価値のあるもの・供養が必要なものを見つけ出すことや、特殊清掃・リフォームといった遺品整理以外のサポートもしてくれます。お金に余裕がある方や故人を偲ぶ誠意ある対応を求める方は遺品整理業者に依頼するのが良いでしょう。
不用品回収業者はこんな方におすすめ
すでに遺品の仕分けが終わっている場合は不用品回収業者がおすすめです。最低限の料金・時間で作業をしてくれます。粗大ゴミや不用品をまとめて処分したい方、リユース・リサイクル可能な物を買取・無償回収して欲しい方は不用品回収業者に依頼しましょう。
遺品整理業者の作業の流れと注意点
遺品整理業者に依頼することを決めた場合、具体的にどのような流れになるのでしょうか。依頼から作業終了までの流れをご紹介します。
遺品整理の流れ
1.依頼
まずはWebページなどで検索し、遺品整理業者をピックアップしましょう。電話やメールで複数の会社に問い合わせをし、料金や対応を比較することが大切です。
2.ヒアリング
遺品整理業者を決めたら、業者から作業内容についてのヒアリングがあります。どこから手をつけたら良いのか詳細が分からない場合でも、丁寧に相談に乗ってくれることがほとんどです。その後、実際に訪問して作業する日程の調整を行います。
3.訪問・仕分け
ご希望の場所へ訪問し、品物を確認しながら仕分け作業を行っていきます。
4.見積り・整理日の調整
整理が終わったら売却可能な品物と処分費用の見積もりがメールもしくは郵送にて提出されます。それから再度、遺品を整理・処分をするために訪問する日程を調整します。
5.買取・整理業務
調整した日程で整理業務を行います。価値があるものは買取をしてくれる業者も。不用品が多い場合は複数日かかる場合があります。
6.精算
総額費用が確定したら、メールもしくは郵送にて明細が送付されます。内容に問題無ければ精算し、作業は終了です。
遺品整理前に確認したいポイント
遺品整理を行なう前に、注意しておきたいポイントがあります。
事前に分割協議・形見分けを行う
遺品の中にはアクセサリー・宝石・預金通帳など、遺産相続に関連するものが含まれています。勝手に処分してしまうとトラブルに発展してしまう場合もあるので、事前に相続人全員で遺産の分割について話し合う分割協議・形見分けを行いましょう。親族が集まりやすい四十九日に協議を行うケースが多いようです。
賃貸の場合は賃料の支払い
故人が賃貸物件に住んでいた場合、遺品整理が終わるまで賃料を支払わなければなりません。そのため、なるべく早く遺品整理を行うことをおすすめします。片付かない状態が長く続くとホコリや汚れが蓄積し、害虫が発生するなどの恐れも。
遺品整理・不用品回収業者の選定
遺品整理や不用品業者の中には悪徳業者も存在します。被害に遭わないようにするために、実績のある業者を選ぶことが大切です。
遺品整理業者・不用品回収業者を選ぶ際のポイント
遺品整理・不用品回収業者は、要望に合った正しい対応をしてくれる業者に安心して任せたいものです。そのために業者を選ぶ際、確認しておくべきポイントをご紹介します。
遺品整理・不用品回収の実績が豊富
悪徳業者とのトラブルを避けるため、業者は慎重に選びたいもの。Webページなどを確認し、実績が豊富な業者を選びましょう。
遺品整理だけでなく鑑定も可能
遺品整理業者を選ぶ場合、まずは「遺品整理士」が在籍しているかどうか確認します。遺品整理士とは遺品や相続に関する知識が豊富な専門家で、適切な方法で遺品を片付けてくれます。また骨董品などの鑑定も可能な業者であれば価値のあるものを見過ごすこともありません。
デジタル機器の処分にも対応している
近年多いのが「デジタル遺品」です。パソコンやスマートフォンなどの端末機器廃棄やSNSなどのアカウント消去を行ってくれます。
メディア露出がある業者
メディアに露出経験がある業者は、メディアによって豊富な知識と経験を持つスタッフがいることが保証されているといえます。
アフターフォローがしっかりしている
遺品整理は物の整理だけではありません。相続についての相談ができるなどアフターフォローがしっかりしている業者であれば、何か疑問点がでてきても安心です。
担当者の対応が丁寧
遺品整理は作業終了まで複数日かかる場合も。何度もやり取りをするので、担当者の対応が丁寧な業者にお願いしたいもの。問い合わせをする際は、きめ細かいサービスが行き届いているか、品物を丁寧に扱ってくれるかどうか確認しながら業者を選択しましょう。
鑑+断捨離(カンシャリ)
まとめ
遺品整理業者は、弔いの心を持って遺品の整理から処分まで全て行なってくれる業者です。一方不用品回収業者は、すでに整理が済んだものを効率的に回収してくれる業者です。遺品整理をすべてご自身の手で行なうのは精神的にも体力的にも負担が大きいので、無理せず遺品整理業者に頼むことも検討しましょう。鑑定士が在籍する遺品整理業者であれば、遺品の中から価値のあるものを鑑定してくれます。
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