不要な着物は寄付がおすすめ!寄付の方法と活用事例、その他の処分方法は?
気に入った着物を持っているけれど、着る機会が無く長い間たんすに眠ったまま。そんな着物をどのように処分したらよいか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。着物の処分にはいろいろな方法がありますが、そのまま捨てると心が痛んでしまう人には寄付がおすすめです。
この記事では、着物の寄付について詳しく紹介します。着物を寄付する方法と、寄付された着物がどのように活用されるのか解説していきます。寄付以外にも処分する方法がありますので、併せて検討していきましょう。
着物の寄付はどんな人におすすめ?メリット・デメリット
着物には、ご自身が気に入って買ったものや、親族の形見や成人式の振袖など、思い出がつまっているものも多いことでしょう。しかし保管しておくための場所がないなど、処分しなければならないこともあります。処分しづらい着物を手放すためには、寄付をするという方法があります。
こんな方に着物の寄付はおすすめ
処分するのがもったいないと感じる方
もう着られない着物でも、ゴミとして捨てるにはもったいないと感じる方には寄付がおすすめです。寄付をすることで、必要な人に着物を届けることができます。必要な人に大切な着物を再活用してもらいましょう。
寄付によって社会貢献したいと感じる方
寄付した着物は国内外で再利用されます。再利用方法は寄付する団体によって異なりますが、再度着用されたり、リメイクされたりして、必要とされている方の元に届けられます。寄付によって誰かの役に立ちたい、社会貢献がしたいという方におすすめです。
お金にならなくても良いと感じる方
当然ながら、着物の寄付をしてもお金にはなりません。それでもゴミとして捨てるよりは良いと感じる方におすすめです。
着物を寄付するメリット・デメリット
メリット
寄付をすることで使われない着物が再利用され、有効活用されることが最大のメリットです。必要としている人や困っている人の助けになるため、手放す心苦しさを軽減することができるでしょう。
デメリット
着物の寄付をするためにお金がかかってしまうことがあります。例えば着物の発送をするための送料や、寄付金が上乗せされていることも。一切負担なく寄付に出すことができる団体は少ないでしょう。大きな金額ではありませんが、費用をかけずに処分したい人にとってはデメリットです。
着物を寄付する3つの方法
1.NPO・NGO団体に寄付する
まずはNPO・NGO団体に寄付する方法があります。それらの団体では国内外に物資の提供などをしており、寄付された着物をほぼ100%リユースしています。着物だけではなく帯や下駄・足袋・扇子などの小物も回収対象の場合が多く、しわや汚れがあり、傷んでいても受け付けてくれます。また着物に限らず文具・カバン・スポーツ用品・化粧品・人形などの不用品を回収しているところもあるので、着物以外にもまとめて手放すことができます。不要な着物が多い、その他不要な衣類をまとめて処分したいという方はNPO・NGOを活用しても良いでしょう。
2.大学に寄付する
大学の中には、着物の寄付を受け付けているところもあります。寄付された着物は、学生たちが和装文化を楽しみ環境に優しいライフスタイルをすごす学習の一環として活用されます。そのためサイズを問わず寄付を募っているところが多くあります。大切な着物を若い世代に譲りたいという方はぜひ活用してみてください。
3.市民団体に寄付する
市民団体とは、主に消費者グループや生協などに参加する市民により設立されたネットワークです。寄付された着物は、市民団体主催で開催される定期的なフェアの中で手ごろな値段で販売されます。また、着物文化を国内外に伝える催しに使われることもあります。着物以外の衣類の寄付を受け付けていることもあるので、不要な衣類をまとめて寄付したいという方におすすめです。
NPO・NGO団体に着物を寄付する方法と事例
NPO・NGO団体に着物を寄付する方法と実際の活用事例について解説します。
NPO・NGO団体に着物を寄付する方法
まずはNPO・NGO団体のホームページにアクセスをします。問い合わせフォームから必要事項を明記して連絡をしましょう。団体によりその後の流れは違いますが、団体から伝票が届くことが多いようです。段ボールなどに着物などの不用品を入れ、届いた伝票を使って発送します。送料や寄付金などの費用が発生する場合もあります。依頼方法や寄付の流れはNPO・NGO団体によって異なりますので、寄付する前にホームページなどで確認を行いましょう。
NPO・NGO団体の着物の活用事例
事例1
「もったいない」信念のもとリユースの輪を広げる活動をしている団体では、寄付された着物はリメイク品の手芸材料として使われます。
事例2
着物を回収後、国内外でリユースや寄付を行っている団体もあります。申込金の中にはワクチン募金なども含まれており、海外の恵まれない子供たちに物資を支援するだけでなくワクチン支援もできる仕組みになっています。
大学に着物を寄付する方法と事例
大学に着物を寄付する方法と事例について解説します。
大学に着物を寄付する方法
着物を大学に寄付する場合、寄付を受け付けている大学に直接持ち込む方法と、送付する方法があります。事前にホームページで確認するか、大学の事務局に電話で問い合わせを行いましょう。
大学での着物の活用事例
事例1
課外活動の一環として、和装文化を学んでいる大学があります。「持続可能なキャンパス」を目指し、寄付された着物を着用することで環境に優しいライフスタイルを送っています。
事例2
寄付された着物や不用品を大学で引き取り、別途査定をします。売却した金額の全額もしくは一部を大学に寄付金として入金します。また、買取品物の点数に応じて発展途上の国の子供にBCGワクチンが寄付されるという取り組みも行っています。
市民団体に着物を寄付する方法と事例
市民団体に着物を寄付する方法と事例について解説します。
市民団体に着物を寄付する方法
市民団体に着物を寄付する場合、回収拠点へ着物を直接持ち込む方法があります。回収をしている日程や場所はホームページに記載されています。記載がない場合は、指定されている業者や市民団体あてに着物を発送する方法も。依頼方法や寄付の流れは市民団体により異なるので、事前に確認を行いましょう。
事例1
着物をハンドメイド素材に変えて販売を行い、ハンドメイド作家との橋渡しを行っている団体があります。ハンドメイド素材を使って制作した作品をイベントで販売し、収益を寄付しています。
事例2
着物の文化を普及することを目的とした市民団体では、寄付された着物を扇子などの小物にリメイクし、海外に向けて流通しています。また、国内外のイベントで着付けの体験教室を行うのに利用しています。
寄付以外の処分方法は?8つの着物の処分方法
着物を処分する方法は寄付以外にもあります。代表的な8つの処分方法を紹介するので、ご自身にとって合った処分方法を検討しましょう。捨てるのは躊躇してしまうという方には、ネットオークション・フリマアプリ・リサイクルショップといった方法があります。また、着物の価値を正確に査定してもらえる買取業者を活用するのもおすすめです。
1.ゴミとして廃棄する
着物をゴミとして処分する方法です。各自治体の分別ルールに従って処分することができます。
・デメリット……自治体のゴミ出しルールを調べる手間がかかります。自治体によってはルールが複雑な場合も。価値のある着物に気づかずに廃棄してしまう可能性もあります。
2.ネットオークションを利用する
ヤフオク!等のオークションサイトにご自身で出品する方法です。
・デメリット……必ず売れるわけではないのがデメリット。出品のために写真撮影や梱包・発送などご自身で行う手間もかかります。また個人間でのやりとりになるため、クレーム等のトラブルに発展してしまうこともあります。
3.フリマアプリを利用する
メルカリ、ラクマなどのフリマアプリに登録し、購入してもらう方法です。
・デメリット……オークションと同様のデメリットがあります。必ず売れるわけではないこと、出品・梱包・発送の手間が発生すること、トラブルが起きる可能性あります。
4.リサイクルショップで売却する
リサイクルショップで売却する方法です。直接持参するのが基本ですが、お店によっては宅配受付やスタッフが訪問査定・買取を行ってくれるところもあります。
・デメリット……着物は衣類としての買取となるため、価値を正しく判断して査定するわけではありません。着物に価値がある場合、損をしてしまうこともあります。
5.リメイクして再利用する
ご自身で着物の布地を使ってリメイクする方法です。カバンやポーチ、日傘、アクセサリーなどに再利用することができます。リメイクを専門としているお店もあります。
・デメリット……着物の枚数が多い場合はすべてをリメイクすることができず、一部は破棄してしまうことになります。また、お店に依頼すると料金がかかります。
6.家族・友人・知人に譲る
着物が好きな家族や友人・知人に引き取ってもらう方法です。
・デメリット……価値のある着物だとしても、収入は期待できません。
7.不用品買取業者に依頼する
不要品買取業者に回収してもらって処分することもできます。
・デメリット……回収の料金は決められているので、着物単体では割高になってしまう場合もあります。着物の価値を判断してくれるわけではありません。
8.着物の買取業者に依頼する
着物の買取業者に依頼をすると、豊富な専門知識をスタッフが正しい価値を査定して買い取ってくれます。店舗に直接持ち込む方法、段ボールなどに詰めて送付する方法、スタッフが自宅まで来て査定してくれる出張買取があります。
・デメリット……悪徳業者が安く買取り、他では高値で販売することも。インターネットや口コミを確認してから依頼を行いましょう。
着物の処分は買取もおすすめ!買取の判断基準と高額査定のコツ
着物を処分したいときは買取もおすすめです。寄付を検討している着物の中には、思わぬ高価な品が含まれているかもしれません。まずは買取査定をしてみて、金額を確認してから寄付を検討するのもよいのではないでしょうか。ここでは、買取に出すべきか否かの判断基準や高額査定のためのコツなどについて解説します。
買取可能かどうかの判断基準
どのような着物であれば買取に出すのが良いのでしょうか。寄付をするか買取に出すか迷っている方に、判断基準の一例を紹介します。以下の5つのポイントを確認しましょう。
小紋の判断基準
小紋は主にカジュアルシーンを中心に着用する着物です。素材・柄・帯との合わせ方によっては結婚式の披露宴など、フォーマルシーンで着用することも可能です。着用する機会も多く需要も高い傾向にあるため、悩んでいるものは査定してみることをおすすめします。
木綿素材の着物の判断基準
木綿素材の着物は日常着として着用されることが多い着物です。価値がそれほど高くないものも多いため、買取査定も可能ですが、汚れがあるものや古いものなどは寄付をしても問題ないでしょう。
訪問着の判断基準
訪問着はフォーマルシーンで正装として着用されます。入学式や結婚式などで着用される機会があり質の良いものも多いため、買取査定に出すのがおすすめです。
振袖の判断基準
振袖は未婚の若い女性が着用する着物です。成人式で一度着用したきりの方も多いでしょう。豪華な素材や柄で高価なものも多いため、一度査定をしてみることをおすすめします。
留袖の判断基準
留袖は既婚女性が着用する格式高い着物です。冠婚葬祭のフォーマルシーンでの着用になります。高値で売れることがあるため、悩んでいる場合は買取査定がおすすめです。
高額査定のコツ
査定してもらうことを決めた場合、少しでも高額で買取してもらうために注意しておきたいことを紹介します。
以下の4つのポイントを確認しましょう。
保管方法に注意する
着物は注意しないと劣化が早まってしまいます。しわが出ない畳み方をし、着物専用のたとう紙に包んで桐棚や桐たんすに保管するのが最適です。湿気・虫・紫外線にも弱いので、それぞれの対策を行いましょう。
証紙や落款・証明書も保存する
着物に付属している証紙・落款・証明書には、産地・素材・織物などが記載されています。着物の価値を証明するものなので、査定の際に一緒に提出するとよいでしょう。着物の価値が一目で分かり、適切な査定が期待できます。
帯や小物も一緒に保管する
着物は単体では着ることができません。帯や襦袢・草履なども必要です。セットで査定に出すと着物のみで査定してもらうよりも高い査定額が期待できます。
複数の業者に依頼する
査定は1社のみにお願いするのではなく、複数の業者に依頼すると良いでしょう。着物の相場が把握できるうえ、安い査定をしてくる悪徳業者かどうか判断することもできます。業者によっては出張費や送料がかかる場合もあります。
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失敗しない!着物の買取業者の選び方
買取業者にお願いする場合、なるべく高く買い取ってくれる業者にお願いしたいもの。失敗しない買取業者の選び方のポイントを紹介します。以下の8つのポイントを押さえれば、買取業者選びで大きな失敗をすることはないでしょう。
着物の買取実績が豊富
まずはホームページなどで着物の買取実績を確認しましょう。実績が豊富な業者であれば、経験と知識が養われており、適正価格で判断してくれるでしょう。また、多くの販路を持っている可能性もあるため、他店よりも査定額が上がることが期待できます。
着物に詳しい鑑定士が所属している
着物は多くの種類があり、時代によって流行や需要も変わります。素人では正しい価値を見極めるのが難しいのですが、知識と経験が豊富な鑑定士であれば適正価格で査定してくれます。
メディア露出がある業者
テレビや雑誌などのメディアに露出した経験がある買取業者であれば、知識と経験を持つスタッフがいるかどうか判断する目安になります。
アフターフォローがしっかりしている
価値が高い着物や、思い入れのある着物は売却後に後悔してしまうかもしれません。一定期間であれば契約を解除できるクーリングオフ制度があるかどうか事前に確認を行いましょう。その他にもアフターフォローがあるかどうか確認してから依頼をすると安心です。
担当者の対応が丁寧
気持ちよく取引するために、担当者の対応が丁寧な業者を選びましょう。こまかい疑問点でも誠実に対応してくれるかどうか、商品を丁寧に扱ってくれるかどうかも同時に確認します。
証紙・落款を一緒に提出
着物に証紙や落款などの付属品がある場合は忘れずに一緒に提出しましょう。その着物が本物かどうか一目で判断できるため、より正確な査定額が期待できます。
和装小物も一緒に査定依頼する
帯・襦袢・草履・巾着など、着物と一緒に着用できる小物類も同時に査定依頼をしましょう。着物単体よりも高く評価される場合があります。
査定前にお手入れをする
査定を依頼する前に着物の状態を確認しましょう。ほこりを払うなど、軽くお手入れをしておくと鑑定士からの印象がよくなります。普段から正しく保管しておくことが一番大切です。
着物買取
まとめ
着物の寄付をする場合、どの団体なら納得して寄付できるか、有効活用してくれそうかを検討して、ご自身が信頼できるところに依頼しましょう。着物の処分方法は寄付だけにとどまりません。着物の出張買取サービスも着物を処分するためのおすすめの方法の1つです。先に買取査定をして金額を確認してから寄付をするのも良いでしょう。
古美術八光堂では、専門知識と経験豊富なスタッフが丁寧に査定いたします。古いものや汚れがあるものでも高値で取引されているものもあります。着物の処分を考えている方、価値が分からない着物をお持ちの方は一度査定してみてはいかがでしょうか。
着物買取