香木には偽物が多い?本物と偽物の見分け方と買取相場を解説!
香木は近年、世界的に需要が高まり高値で取引されています。品質が良いものであれば1g10万円以上で取引されているものも。しかし、残念ながら市場には偽物が多く出回っているのも事実です。
香木が本物かどうかは、どのように見分ければいいのでしょうか。この記事では価値の分からない香木をお持ちの方や、これから香木の購入を考えている方のために、真贋の判断ポイントと価値を詳しく解説します。
■香木とは?歴史と種類を解説
自宅の遺品整理などで香木を発見したものの、香木がどんなものなのか?どのような役割がありどのくらいの価値があるのか?などがわからない方がほとんどではないでしょうか?ここでは、香木概要や歴史についておさらいします。
- 香木の概要と歴史
香木とは、日本では「香道」に用いられる木のことで、樹脂を固めたものや樹木を薄片に削ったものなどが含まれます。良い香りのする樹木、またはその樹木から採れる香料のこと。原木は樹木が傷つくと傷を食い止めるため樹液を出します。樹液が固まった樹脂は、長い年月をかけてバクテリアや菌によって変質し、香りを放つようになります。香りを放つまでには最低でも約30~50年、さらに質の良い香木になるには約100~150年以上かかります。そのため採取できる香木は年々減ってきており、最上級の香木はかなりの高額で取引されています。
香木は主に東南アジアで産出されます。日本への伝来は『日本書紀』に595年に淡路島に漂着したという記述があります。595年で、最も古い史書『日本書紀』に淡路島に香木が流れ着いた記録があります。当時から希少価値が高く、権力の象徴として権力者からも人気がありました。特に織田信長が正倉院に納められている伝説の香木「蘭奢待(らんじゃたい)」を求めたことで有名です。
- 香木の種類
日本での香木とは、一般的に伽羅(きゃら)・沈香(じんこう)・白檀(びゃくだん)の3種類のことをいいます。それぞれ特徴や魅力について、以下で詳しく解説します。
・伽羅
伽羅は香木の最高級品で、多様で複雑な香りを放つ究極の香木といわれています。沈香の中でも特に質の良いもので、生成までに約100年以上かかります。沈香は温めて香りを楽しみますが、伽羅はそのままでも香りを放つのが特徴です。 ・沈香 沈香は心を落ち着かせる甘い香りが特徴です。樹脂が生成されることで重くなり、水に入れると沈むので「沈香」と呼ばれています。 ・白檀 白檀は高貴で静寂を感じる甘い香りが特徴です。幹が灰白色のため白檀と呼ばれています。線香の香りとして使われるほか、英語では「サンダルウッド」として香水などにも使われるため、馴染みがあると感じる方も多いでしょう。熱を加えなくても香りが立つので仏像や数珠などの工芸品にも使われています。 |
■香木の偽物とは?偽物の特徴と判断方法
市場に出回っている香木には、非常に価値の高い本物から、本物を偽装して作られた偽物までさまざまなものがあります。初心者の方には、偽物と本物を判別するのは難しいのですが、判断方法を知っていればまずは疑うことができるはずです。最終的な判断は専門の鑑定士に依頼するのがおすすめですが、偽物と本物の最低限の判断方法は覚えておくとよいでしょう。
- 香木市場には偽物が多数出回っている
香木は需要が高い一方、見た目だけでは価値を判断するのが難しいこともあり、市場に偽物が多数出回っています。とくにネットオークション・ネットフリマや海外のお土産屋などでは注意が必要です。香木が本物かどうか確認できるよう、簡単な判断方法を紹介します。
- 代表的な香木の偽物
香木の偽物にはどのような種類があるのでしょうか。偽物として市場に出回っているものの中でも、特に代表的なタイプをご紹介します。
・泡油
木片に匂い成分や香りのするオイルをしみこませ、人工的に香りを付けたもの。 ・品質の基準が疑わしい商品 低品質な香木を、高品質のように見せかけた名称で販売したもの。 ・箱のみ・中身のすり替え 元々は本物の香木が入っていた箱の中身を、安価な香木や偽物にすり替えて販売したもの。 ・詰め物 香木は重ければ重いほど価値が上がります。そのため香木の内部の空洞に砂や重りを詰めて価値を偽っているものがあります。 |
- 香木の偽物を判断する方法
香木が本物かどうか判断するための方法を紹介します。香木の価値が判断できないという方は、以下を参考にしてみてください。
・常温での香り
一部の伽羅を除いて香木は常温ではあまり匂いがありません。従って常温で強く香るものは偽物である可能性があります。 ・重量感 香木を持って重さを確かめてみましょう。香木の内部に異物や詰め物をして重くしている場合、見た目よりも重く感じます。 ・手触り 原木を触ったことがある人であれば、手触りで偽物かどうか判断できるかもしれません。ただ、香木に詳しくない方は手触りから判断することは難しいでしょう。 ・木質 木目が明らかに不自然で汚いものは偽物の可能性があります。香木の木質を細かく確認してみましょう。 ・水に沈むか否か 沈香は水に沈むという特徴があります。そのため、水に沈むかどうかが1つの判断ポイントです。しかし中には品質が良くても水に浮くものや、詰め物をして水に沈むようにした偽物もあります。あくまで目安として考えましょう。 ・形状 輪切り型や流線形など、形が美しく安定しているほうが高く評価されます。香木は用途によってそれぞれ形が決まっているため、それ以外の形をしているものは偽物の可能性もあります。 ・焚いて確認する 香木は焚くことで芳香が立ちます。実際に少量削ってみて、焚いた香りで確認するのも良いでしょう。 ・断面で状態を確認する 沈香の香りの元である樹脂は黒色をしています。一般的な沈香の断面は、樹脂で黒ずんだ部分とそれ以外の白い部分の木目が入り混じっています。断面が真っ黒の場合や、白くきれいなものは品質が低い、もしくは偽物である可能性があります。 |
- 購入方法によってはリスクが高まることも
本物と偽物を判断する方法として、購入方法や入手経路を確認する方法があります。入所方法ごとの偽物の可能性やリスクについても簡単にご紹介します。フリマアプリやネットオークション、専門店ではないお店で購入・入手している場合は、少し疑った方が良いかもしれません。
・フリマアプリ・ネットオークションの場合
個人間での取引になるため、相手が信頼できる出品者かどうか判断するのは難しいもの。有名な老舗お香メーカーの箱に偽物の香木を入れるなどの悪質なものも多くあります。 香木を専門とする業者以外からは購入しないほうが無難です。 ・ネット通販の場合 香木を専門とするお店であればリスクは低くなります。ただし香木は保存状態が悪ければ香りは失われてしまいます。通販ページの画像だけでは品質までは判断できません。 ・路面店や骨董市場の場合 路面店や骨董市に出店している人は、お香の専門家でないことがほとんどです。そのため本物の香木を取り扱っていることは少ないといえるでしょう。 ・古美術店の場合 香木の価値基準は複雑です。古美術のジャンルは多岐に渡るので、お香の専門家が在籍しているお店で購入すればリスクは低くなるでしょう。 |
■香木の代表、伽羅・沈香・白壇で解説!高品質な香木の相場は?
本物の香木は非常に価値が高く、買取市場で高額で取引されることも珍しくありません。日本の香木としては「伽羅・沈香・白檀」の3つが代表的で、本物であれば非常に高価なものです。ここでは、それぞれの特徴と買取市場での取引相場について解説します。
- 伽羅
・特徴
高品質な伽羅は美しく艶があり、熱を加えなくても常温で香ります。木質が柔らかく、最上級のものは爪で傷がつくほど。 ・高品質な伽羅の買取相場 伽羅は品質の良いものであれば1g10万円程度の高価格で取引されます。古美術八光堂では、伽羅の香木を約15075万円で買取した実績があります。 |
- 沈香
・特徴
高品質な沈香は、断面に艶がある黒い樹脂が細かく入っているのが特徴です。 ・高品質な沈香の買取相場 古美術八光堂では、品質の良い沈香を60万円で買取した実績があります。 |
- 白檀
・特徴
白檀は、古木の芯を使っているものや色が濃く重量感を感じるものが高品質とされています。また、インド・マイソール地方で産出される老山白檀も高く評価されます。 ・高品質な白檀の買取相場 古美術八光堂では、品質の良い白檀を10万円前後で買取した実績があります。 |
■香木の買取業者選びのポイント
ここまで、香木の偽物と本物を判別する方法などについて解説しましたが、初心者が正確に判断するのは難しいといえます。偽物か本物かを正しく判断するためには、香木に詳しい専門の鑑定士に依頼するのが最適です。ただ、ここで難しいのが買取業者の選び方です。香木の買取実績が少ないと、プロでも判断ができないことも少なくありません。そこで、香木の査定をしてもらう買取業者の選び方についてご紹介します。
- 香木の買取実績が豊富
香木は骨董品として取引されています。骨董品を取り扱う業者の中には残念ながら悪徳業者も存在します。トラブルを避けるため、業者は慎重に選びたいもの。WEBページなどを確認し、香木の買取実績が豊富な業者を選びましょう。そのような業者であれば審美眼が養われているので安心してお願いすることが出来ます。高く売却できるルートを持っていることもあり、査定額が上がる可能性もあります。
- 香木に詳しい鑑定士が所属している
香木は一見して価値の判断が難しいことや、産地や部位によって価値が大きく異なるため、鑑定には知識と経験が必要です。香木専門の鑑定士が在籍しているかどうか確認しましょう。
- メディア露出がある
メディアに露出経験がある店舗は、メディアから信頼を保証されているといえます。また、メディアで仏具や茶道具など、香木との関わりが深い骨董品の鑑定・査定経験があるとなお安心です。メディアに露出した経験がある鑑定士が所属しているかどうかを確認しましょう。
- アフターフォローがしっかりしている
香木は希少性が高いため、売却したあとに後悔してしまうことがあるかもしれません。アフターフォローがしっかりしている業者であれば安心してお願いすることができます。買取業者のホームページなどを確認して、アフターフォローに関しての内容が記載されているかどうかを確認しましょう。また、クーリングオフ制度が利用できるかどうかも大切です。必ず事前に確認するようにしましょう。また、このようなアフターフォローやクーリングオフに関する情報がHPのどこを探しても見当たらない場合、利用は控えた方が良いといえるでしょう。
- 担当者の対応が丁寧
担当者の対応が丁寧で感じが良い業者のほうが気持よく取引できます。また疑問点があったときにも確認しやすいでしょう。依頼する際はきめ細かいサービスが行き届いているか、品物を丁寧に扱ってくれるかどうかもチェックしましょう。
▶専門家による査定を受けられる古美術八光堂は香木買取 にも対応しています。 |
■まとめ
癒しの効果がある香木は、近年ますます需要が高まっています。香木の価値は香りが一番重要ですが、一般の方が価値を正しく判断するのは難しいもの。偽物を購入しないためには、信頼できるお香専門店で購入するのが良いでしょう。
お持ちの香木の価値を知りたい方や売却を考えている場合は、知識と経験豊富な専門家が在籍する買取業者にお願いするのがおすすめです。
古美術八光堂では香木の専門知識と経験豊富なスタッフが丁寧に鑑定いたします。汚れや傷があっても高値で取引されているものもあります。ぜひお気軽にご相談ください。
▶専門家による査定を受けられる古美術八光堂は香木買取 にも対応しています。 |