絵画の価値とは?高額買取される作品の特徴とは?
「家に眠っている絵画を売ってみようかな…」そう考えたことはありませんか?でも、いざ売ろうとすると「この絵って価値があるのかな?」「どこで売ればいいんだろう?」と疑問が次々に浮かんでくると思います。そこでこの記事では、絵画の市場の仕組みや価値の見極め方・高額買取される作品の特徴について詳しくご紹介します。あわせて、売却時に気をつけたいポイントや信頼できる買取業者の選び方についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
絵画の価値はどう決まる?市場の仕組みとは?
絵画が取引される市場とは?
絵画が取引される市場にはいくつかの種類があり、大きく分けると「プライマリーマーケット(一次市場)」と「セカンダリーマーケット(二次市場)」の2つです。これらの市場は、絵画の流通において重要な役割を果たし、作品の価値を決定する要因の一つとなっています。
プライマリーマーケット(一次市場)とは
プライマリーマーケットとは、アーティストが新作の絵画を初めて市場に出す場のことを指します。主に画廊や百貨店などの「プライマリーギャラリー」で取り扱われ、アーティストが直接販売を行うこともあります。
この市場では、作家の知名度や作品の評価によって価格が決まります。また、新人作家にとってはコレクターやギャラリストとの出会いの場にもなっています。ここで高い評価を得ることで、アーティストの知名度が上がり、将来的に作品の価値が上昇することもあります。
セカンダリーマーケット(二次市場)とは
セカンダリーマーケットとは、一度誰かが所有した絵画が再び市場に出される場を指します。画廊や買取業者を通じて販売されることもありますが、特に大きな役割を果たすのがオークションです。希少性の高い人気作家の1点ものは、オークションでは特に人気で、美術コレクターによって入札が相次ぎ、価格が上がっていくことも珍しくありません。
中でも世界的に有名で世界2大オークションハウスと呼ばれる「サザビーズ(Sotheby’s)」や「クリスティーズ(Christie’s)」といったオークションハウスでは、高額な美術品の取引が行われ、人気作家の希少な作品には多くの入札が集まることがあります。
市場全体の評価によって絵画の価値や金額が決まる
絵画の価値というのは、単に作者の知名度や作品の美しさだけで決まるわけではなく、市場全体の評価や需要と供給のバランスによっても大きく左右されます。プライマリーマーケットでの初期評価が高ければ、将来的にセカンダリーマーケットでの価値が上がる可能性もあります。反対に、一時的に人気が出ても、市場の需要が低下すると価値が下がることも。そのため、絵画の価値を見極めるためには、市場の動向をよく理解し、どの作品がどのような評価を受けているのかを知ることが重要です。
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絵画の価値を見分ける方法は?
評価が高い作家の作品か
絵画の価値を判断する際に、まず重要なのが「誰の作品か」という点です。有名作家や人気作家の作品は、多くのコレクターや美術館に求められるため、市場価値が高まりやすい傾向にあります。そのため、作品に作者のサインや落款(らっかん)があるかどうかを確認することが大切です。これによって、真作であるかどうかの手がかりにもなります。
作品数が多いか少ないか
市場に出回っている作品の数も、価値に大きく影響します。作品数が少ない作家や、制作数が限られているシリーズ作品は希少性が高まり、需要が上がる傾向があります。特に、作家が亡くなった後は新たな作品が生み出されることがないため、希少価値が上がりやすくなります。
作品が作られた年代
絵画の年代も価値を左右する重要な要素です。まずはその絵画がいつ制作されたのか、年代を確認してみましょう。年代は附属の箱などに明記されていることが多いです。
制作年が明記されている場合は、その情報を確認し、作家のキャリアのどの時期に描かれたものなのかを調べてみてください。特に、作家の「黄金期」と呼ばれる時期に制作された作品は、高値で取引されることが多くなります。また、当時の時代背景や技法が反映された作品も、歴史的価値が加わることで評価が高まることがあります。
作品の状態
保存状態も、絵画の価値に大きく影響します。ひび割れや色あせ・破損などが少なく、制作当時の状態を保っている作品ほど高く評価されます。特に、古い時代の有名作家の作品で、修復がほとんど行われていないものは希少価値が高くなります。逆に、過度な修復が施されている場合、オリジナルの風合いが損なわれ、価値が下がることも。
入手経路
その作品がどのような経緯で取引されてきたかも、重要なポイントです。例えば、著名なコレクターや著名人から譲り受けた作品の場合、そのこと自体が価値を高める要因になります。また、正式なギャラリーやオークションハウスを通じて入手した作品は、真正性の証明がしやすいため、市場での評価が安定しやすい傾向にあります。
専門家による鑑定を受ける
一般の方にとって、絵画の価値を正しく判断するのは難しいもの。上述したポイントを考慮した上で、さらに確実な情報を得るためには、鑑定士や美術館の専門家などによる鑑定を受けるのが最も確実な方法です。こういった専門家が発行する鑑定書があると、絵画の真正性が証明され、売買の際にも安心材料となります。高額な作品を購入・売却する際は、必ず専門機関の意見を取り入れるようにしましょう。
絵画には偽物が多い?買取業者の重要性
絵画には偽物が多い
絵画の市場では、本物と見分けがつかないほど精巧な模写が多く流通しています。特に有名作家の作品は人気が高いため、模写や贋作が作られることが珍しくありません。しかし、こうした模写作品には基本的に市場での価値がつかないので、売却時には注意が必要です。
とはいえ、専門的な知識がない一般の方が、本物か偽物かを見極めるのは非常に難しいものです。たとえ作風が似ていたとしても、材質や筆遣い・サインの特徴など、細かい部分まで正確に見極める必要があります。そのため、素人判断で売却を進めるのではなく、専門機関での鑑定を受けることをおすすめします。
偽物の流通を防ぐ「所定鑑定機関」
絵画の価値を正しく評価し健全な取引を行うことを目的とした、「所定鑑定機関」という専門の団体があります。この団体は、作家の子孫や配偶者・美術史の研究者などで構成されており、作品が本物であると確認された場合に「鑑定書」を発行します。
この鑑定書を取得した絵画は、市場で本物として正式に扱われるため、売却時にも適正な評価を受けやすくなります。特に、高額で取引される作品の場合、鑑定書の有無が売却価格に大きく影響するため、所有者にとっては非常に重要な証明となります。
専門の鑑定士が在籍している買取業者で査定を受けよう
絵画を売却する際には、信頼できる買取業者を選ぶことが非常に重要です。特に、「所定鑑定機関」に属する鑑定士が在籍している業者であれば、査定の信頼性が高く、適正な価格での取引が期待できます。
市場には多くの買取業者が存在しますが、なかには十分な鑑定知識を持たずに査定を行うところもあります。そのため、業者を選ぶ際には、過去の実績や鑑定士の資格・利用者からの口コミなどをチェックすることが大切です。正しい知識を持つ専門家の手で査定を受けることで、適正な価格での売却が可能となり、偽物の流通を防ぐことにもつながるでしょう。
関連記事:絵画の贋物はなぜあるの?人気画家の作品と鑑定してもらう方法
絵画の鑑定方法は?
美術品の世界では、作品の真贋を見極めることが非常に重要です。特に高価な絵画の場合、偽物や模写が紛れ込んでいることもあるので、正しい鑑定が求められます。では、鑑定士はどのような方法で鑑定をするのでしょうか?
専門家による目視鑑定
絵画鑑定の基本となるのが、専門家による目視鑑定です。これは、鑑定士が直接作品を観察し、筆致や色使い・画布の質感・経年による劣化の状態などを細かくチェックする方法です。特に、過去の作例と照らし合わせながら、作者特有の筆運びや技法を見極めることが重要になります。
ただし、この方法には鑑定士の知識や経験が大きく影響するため、依頼する専門家の腕が重要になります。経験豊富な鑑定士であれば、過去の作品と比較しながら作者の特徴や時代背景に即した判断を下すことができるはずです。
X線や赤外線による化学鑑定
目視だけではわからない情報を得るために、科学技術を活用した鑑定も行われます。X線や赤外線を使うことで、絵の表面では確認できない下書きや修正の痕跡を探ることが可能なのです。こういった技術は、特に過去の作品と比較して筆致や技法が一致するかどうかを調べるのに役立ちます。
また、顔料やキャンバスの素材を科学的に分析することで、作品が描かれた時代が特定できる場合もあります。例えば、特定の時代に使われていなかった顔料が検出されれば、その作品が後世に作られた偽物である可能性が大きくなります。このように、科学鑑定は客観的な証拠をもとに判断できるため、専門家の主観による影響が少ない点が大きなメリットと言えるでしょう。
落款や印章による文書鑑定
作品に記された落款(署名)や印章を分析する「文書鑑定」も、真贋判定において重要なポイントです。書かれた文字の特徴や印章の形・押し方などを細かく検証し、本物の作品と一致するかどうかを確認します。特に歴史的な絵画の場合は、作者の直筆の署名や印章が作品の価値を決定づけるポイントとなることがあります。そのため、専門家は過去の記録や公的機関のデータと照らし合わせながら、署名や印章の真正性を慎重に見極めていきます。
絵画の買取業者を選ぶときのポイントは?
絵画を売却する際、どの買取業者を選ぶかは非常に重要です。同じ作品でも、依頼する業者によって査定額が異なることは珍しくありません。適正な価格で買い取ってもらうためには、信頼できる業者を見極めることが大切です。
絵画の買取実績が豊富か
まず確認したいのは、その業者にどれだけの買取実績があるかという点です。長年にわたって多くの絵画を扱ってきた実績は、それだけ市場に精通している証拠です。豊富な経験を持つ鑑定士が在籍していることが多く、作品の価値を正しく見極めてもらえるでしょう。
また、実績のある業者は独自の販売ルートを持っているため、高値で取引できる可能性もあります。オークションや海外のコレクターとのネットワークを活用し、一般的な買取店よりも高い価格での売却が期待できるかもしれません。
絵画に詳しい鑑定士が所属しているか
絵画の価値は、ジャンルや作家・年代・保存状態などさまざまな要素によって決まります。そのため、幅広い知識を持つ鑑定士が在籍しているかどうかは、業者選びの重要なポイントです。特に、特定のジャンルに詳しい専門家がいる業者なら、作品の価値をより正確に判断してもらえる可能性が高くなります。例えば、日本画や洋画、現代アートなど、それぞれの分野に精通した鑑定士がいるかを事前に確認するとよいでしょう。
メディア露出があり母体がしっかりしているか
会社の規模や信頼性も、業者選びの際に重視したいポイントの一つです。メディアへの露出が多い業者や、長年の運営実績がある業者・母体がしっかりしていて資金力がある業者であれば、適正な査定をしてもらえる可能性が高いでしょう。また、こういった業者であれば、査定額を提示されたあとに減額されたり支払いが遅れたりといった買取後のトラブルの心配も軽減できます。
取引環境が安全か
安心して気持ちよく取引をするためには、業者の取引環境もチェックしておくべきです。特に高価な美術品を扱う場合、個人情報の管理や決済の安全性がしっかりしているかどうかは重要です。業者のウェブサイトなどで、プライバシーポリシーや取引の流れを確認し、信頼できる体制が整っているかを見極めましょう。また、保証制度や契約書の内容についても、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
Q&Aやアフターフォローがしっかりしているか
絵画を売却したあとで「やっぱり手放すのをやめればよかった」と後悔することもあるかもしれません。そうしたときに、クーリングオフ制度を利用できるかどうかは重要なポイントになります。また、取引完了後に疑問や不安が生じたとき、問い合わせにしっかり対応してくれる業者なら、より安心して取引ができます。契約時の説明が丁寧で、不明点にしっかり答えてくれる業者を選ぶようにしましょう。
担当者が丁寧に対応してくれるか
問い合わせや査定の際、スタッフが親切かつ丁寧に対応してくれるかどうかも、良い業者を見極めるポイントになります。査定時に曖昧な説明をされたり、強引に買取を迫られたりするような業者は避けるべきです。最初の問い合わせの段階で、スタッフの対応が丁寧で、質問にもしっかり答えてくれるかどうかを確認するとよいでしょう。
まとめ
売却したい絵画をお持ちの場合には、まずはお手持ちの絵画作品の価値を正しく知り、適切な売却方法を選ぶことが大切です。絵画の価値と価格には、作家の評価や作品の希少性・保存状態などが影響するため、ご自身でも調査や確認を。その上で、正しい評価を得るために、専門家が在籍する買取業者による鑑定を受けることをおすすめします。大切な絵画を適正な価格で安全かつ気持ちよく取引できるよう、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
絵画高額買取