現代のフランス画壇を代表する作家“ジャン・ピエール・カシニョール”
「ジャン・ピエール・カシニョール」について
何気ない日常風景の中に、特徴ある帽子をかぶった女性が描かれている絵画といえば、皆様真っ先に思い浮かべるのはカシニョールの作品ではないでしょうか。憂いを帯びた女性像に背景を彩る花々や草木はノスタルジックな雰囲気を醸し出し、甘美さや哀愁を感じさせます。
今回は日本とも深い係わり合いのある、現存作家の中ではもっとも人気の高い作家の一人であるジャン・ピエール・カシニョールについてお話したいと思います。
ジャン・ピエール・カシニョールの経歴
ジャン・ピエール・カシニョールは1935年にパリの有名なオートクチュールの家系に生まれました。
才能あふれるカシニョールは、17歳の時にパリのルシー・クロッグ画廊にて初の個展を開き、鮮烈なデビューを果たします。
その後シャルパンティエ・アカデミーパリ美術学校へ入学。
パリだけにとどまらずニューヨークを舞台に華々しく活躍したカシニョールは24歳の若さでサロン・ドートンヌ会員に推挙されました。
その後1960年から1962年までは兵役のためにドイツをアルジュリアへ。
帰国後の1964年には、パリのティヴェイ・フォコン画廊にてカシニョール展を行います。日本ではまだ無名であったカシニョールを日本の某有名な画廊のオーナーが見出したのもこの頃だそうです。
1965年には石版画作品も作成し始め、1970年代半ばにはカシニョールの手がけた版画は瞬く間に人気となり、世界各地で個展が開催されるようになりました。
カシニョールの制作背景
カシニョールは作品をほぼアトリエのみで制作します。
彼は言います、「制作している時にはインスピレーションというのは沢山湧く物です。いつもやってきます。よく女神が肩の上に舞い降りてくるなどといいますが、それはやや伝説的で、実際はそんな風ではありません。」と。
頭の引き出しに入っているいくつかの現実の断片を、海辺や庭の中といった情景の断片をアトリエの中で書き写す。
その為ある特定のモチーフについてのみ制作をする事はありません。
彼のお気に入りはノルマンディ地方のドーヴェル。
カシニョールの様々な作品に触れ、作中のどこにドーヴェルの断片が潜んでいるのか探してみるのも楽しいかもしれませんね。
「絵とは喜びの源である」「私が皆様に絵を通して幸福や朗らかさのごくわずかな小片でも差し上げる事が出来るのでしたらこれ以上の幸福はありません。」
とカシニョールはインタビューで答えています。
心静かに絵画と向き合い、思いを巡らす贅沢な時間。
それこそがカシニョールが私達に与えてくれる幸せなひと時なのかもしれません。
さいごに
2013年には60号の油彩画がアメリカのオークションにおいて$893,000で落札されました。
今も尚、世界各地に熱烈なファンがいることが見て取れますね。
日本国内のギャラリーとも親交のあるカシニョール。
黒柳徹子さんともお知り合いで、「テツコ」という黒柳さんの横顔の作品を書かれた事も有名です。
華麗な色彩と、エレガントな雰囲気の女性像で爆発的な人気を集め、世界中から愛され続けているフランス画壇の巨匠、ジャン・ピエール・カシニョール。
八光堂ではカシニョールの作品を高価買取しております。
絵画があるが、どうしようかとお悩みのお客様もご相談だけでも、是非一度八光堂までお気軽にお問い合わせ下さい。