井上萬二の白磁花瓶を買取しました!
キング オブ 白磁! 白磁を極めた井上萬二
暑さもおさまってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。といっても暑い日もあったりで、博多駅周辺にも冷却用ミストがところどころありますが、それを見つけると立ち寄らずにはいられません。暑いと食欲も落ちますよね。私も夏になると大好物の回転寿司が15皿しか喉を通りません…
さて、今回は白磁の王様「井上萬二」について書いていこうと思います。
有田といえば染付に色絵とカラフルなイメージが強い印象ですが、萬二先生はこれでもかというほど白さを追い求めています。この白磁で人間国宝にまでなった方です。
戦後、柿右衛門窯で働き始めましたが、初代奥川忠右衛門の作品に出会い衝撃を受けたそうです。この奥川忠右衛門も白磁で有名な方です。萬二先生は忠右衛門に弟子入り、ここから彼の白磁へのあくなき挑戦が始まりました。
白磁の難しさは「白」のみで奥深さ、味わい、温かさなどを表現することになります。このように例えることは失礼にあたるかもしれませんが、全身真っ白の洋服で皆様どれだけ自分の個性を表現できるでしょうか。私はムーミン谷のニョロニョロになる気しか致しません…
仮に1mmでもゆがみがあれば、そこが影になり、作品の表情がガラッと変わってしまいます。完全な白さを求めることは常に完全な仕事を求められるということになります。現在87歳の萬二先生は今もなお作品を作り続けておられます。
そんな萬二先生ですが、白磁に緑の釉薬をかけた「緑釉」や書家の武田双雲氏とのコラボ(素焼きの上から武田氏が筆を入れる)など、新しいことにも取り組んでおられます。また息子の康徳氏と共に窯、ギャラリーを運営、後進の育成にも力を入れています。私も毎年、窯元に行っておりますが、次はどんな作品が生まれるのだろうかと日々わくわくさせていただいております。とても気軽に立ち寄れるギャラリーとなっています。皆様も一度行かれてみてはいかがでしょうか。