薩摩焼の壷を買取させていただきました
薩摩焼について
少し黄色をおびた白地の陶器に絢爛豪華な絵付けが施されているものもあれば、深い黒色をまとった威厳あるたたずまいも見せる。そんな正反対な表情を見せる薩摩焼。
私たちはそんな薩摩焼の豊かな表情につい引き込まれてしまいます。
そんな薩摩焼の魅力にせまってみましょう。
薩摩焼の歴史は1598年の豊臣秀吉による朝鮮出兵にまで遡ります。
天下統一を果たした秀吉は明(中国)の征服を目論んでいました。その足がかりとして、当時明の属国のような関係にあった李氏朝鮮に日本に服属をもちかけたが、断られてしまいます。
そこで秀吉は朝鮮に出兵します(朝鮮出兵)。その際、朝鮮から製陶、刺繍、測量、医学、瓦製造、木綿栽培、養蜂などの技術者たちが日本にやってきました。そして薩摩の地で窯業をはじめたのです。彼らは陶器の原料を薩摩の国中に求め、地産地消の陶器を作りだしました。
朝鮮からやってきた窯業の技術者たちは薩摩に流れる苗代川沿いに集落を作り、窯業を開始して薩摩藩の御用窯になりました。このとき作られはじめたのが、クリーム色の下地に豪華絢爛な絵付けを施した「白薩摩」というものです。
白薩摩は、白い土を使用して透明な釉薬をかけます。そして窯で焼いたときにできる細かなキズ(貫入)が大きな特徴です。
薩摩藩ではこの白薩摩を、藩専用として幕府や他藩への贈答品して送っていました。
また、パリ万博にも出品して、白薩摩の絢爛豪華さが欧米の人の好評を博したようです。
一方黒薩摩は、漆黒の色合いが人気で、「黒薩摩で焼酎を飲みたい」という人も多いようです。
それもそのはず、黒薩摩はもともと日用品の陶器としてつくられました。しかし、そのなかでも、龍門司窯は黒薩摩の技法を発展させ、上級武士や藩主に進呈する陶器を受け継いでいます。
ちなみに陶器にビールを注ぐと、表面の微細な凹凸がビールの泡をきめ細かくします。焼酎もいいですが、ぜひ黒薩摩の漆黒と泡の白さのコントラストも楽しんでみてください。
さて薩摩焼で有名な窯といえば、沈壽官窯です。
沈家は藩主から手厚い保護を受けながらさまざまな作品を世に送り出しました。特に十二代目壽官は天才といわれ、ウイーン万博に作品を出品して薩摩焼の振興の大きく貢献しました。
十四代目壽官は司馬遼太郎の小説『故郷忘じがたく候』の主人公としても登場しています。このような功績が認められ、万博に出品するという作品の出来のよさから、沈壽官窯は大変人気があります。
さいごに
皆さんのお宅にも薩摩焼が眠っていませんか?
「こんなものに価値なんてないわ」と思っている方はぜひ古美術八光堂まで!!
経験・知識ともに豊かな鑑定士が丁寧に拝見させていただきます。
皆さまからのお問い合わせ、お待ちしております!