自分らしさの追求~岡部嶺男~
岡部嶺男について
嶺男青瓷
岡部嶺男の作品の中でも特に人気である「嶺男青瓷(みねおせいじ)」についてお話したいと思います。
岡部嶺男は40歳の頃から中国の陶器の研究を始めました。
そもそも青瓷は玉への憧れから中国で作られた美しい釉色が特徴の焼き物です。産地・時代などで色合いに変化が見られ、一様ではない奥の深さを持っています。
日本では大正時代末頃から多くの作家が素材や技法の研究を重ねてきました。岡部嶺男はその青瓷の世界に挑戦し、次々に格調高い独自の青瓷作品を生み出していきました。
そして、その成果は貫入(かんにゅう)が入らない粉青瓷(ふんせいじ)、薄氷が覆うかのような二重貫入、晩年には米色といった淡い黄褐色の窯変米色青瓷(ようへんべいしょくせいじ)・・・といったように嶺男青瓷を次々と確立していきました。
青瓷作品の他にも、初期作品には古瀬戸や織部にも木ヘラでの鋭い削りの作品を発表、縄目を施した織部や志野の作品は極めて独自性が強く印象的です。
岡部嶺男の作品は、単に古典を模倣するのではなく、妥協せず自分らしさを追求した結果であるといえるでしょう。
さいごに