スタッフFile02:福王稔大vol.2
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――美術品に興味を持ち出したのは鑑定士になったことがきっかけですか?
福王:そうですね。
――美術品のジャンルで特に好きなものはありますか?
福王:中国書画はもっと色々見て学んでいきたいですね。
ちなみに、一番最初に美術品で目を奪われたのが中尾淳(なかおじゅん)の日本画でしたね。僕が入社して間もない頃に嵜本店主が買ってこられた絵画の中に一枚入っていたんですよ。
美人画だったんですけど、女性が着ている着物がもの凄く綺麗だったんですよ。絞りの着物を着たモチーフだったんですけど。
全体の構図バランスも絶妙で見入ってしまいましたね。今でも覚えています。
――八光堂には様々なタイプの鑑定士が在籍していて、福王さんは中でも勉強家というイメージが私の中ではあるのですが、追求していく姿勢はこの仕事をやるにおいて重要な点だと思いますか?
福王:僕は入社した当初、買取があまり上手くなかったんですよ。喋りも特別上手いこともなかったですし。そこで自分の武器として(他の鑑定士と)差別化していくにはどうするべきだろう、と考えました。
自分なりに考えて試行錯誤の結果、僕の場合は知識を蓄えてお客様にしっかりご説明することが一番しっくり来ると思いました。
ジャンルごとにそれぞれ特性がありますので、そのポイントを押さえて、そこから商品知識だけは誰にも負けないように頑張ろうと思ってやってきました。
そして実際に調べている内に美術品が好きになっていきましたね。
――鑑定士という職業をやっていて良かったと思うことはありますか?
福王:物の価値を知れるというところですかね。例えば自分が買った物を売った場合、どういった経緯で次の方に引き継がれていくかなど物の流れも知ることができましたね。
――逆に辛かったことはありますか?
福王:入社当時の買取が上手くできなかった頃は辛かったですね。ですが、そのとき嵜本店主に言われた一言で変わりました。
「お前は顔が真面目そうやねんから、もっとその部分を出していけ」と言われまして。そこから自分の言葉にも自信を持てるようになっていきました。
その後に八光堂名古屋本店がオープンして、そこの責任者として赴任しました。名古屋本店を軌道に乗せようと四苦八苦した経験も大きかったですね。
――人材育成もされていますが、後輩にアドバイスとして言えることは何ですか?
福王:自分のスタイルを見つけて欲しいですね。僕自身もそうだったので。
皆さん長所と短所は持ち合わせていますので、自分の良い所を見つけてそこを伸ばして頂きたいですね。その為に最大限フォローできる環境作りは心がけています。
――西日本の営業部をまとめるという責任あるお仕事ですが、気を付けている点などありますか?
福王:指示を明確にして、コミュニケーションを密に行うことで円滑に物事を進めることができると思っています。
部署も多くありますので、可能な限り簡潔にまとめて指示するように心がけています。
vol.3へ続く…