翡翠の置物について
翡翠の置物について
八光堂ブログをご覧の皆様、こんにちは。八光堂大阪本店鑑定士の北村です。
今回は、「翡翠置物 益寿園 木製台付」を中心に翡翠の置物についてご紹介させて頂きます。
翡翠は緑色の宝石
まず、翡翠は、深い色を帯びた半透明な宝石です。東洋や、中南米では古くから宝石の価値を付与され、現代でもパワーストーンの一つとして大きな人気を集めています。日本では、縄文時代の遺跡からも加工された翡翠が発掘されており、文字通り太古の昔から、日本人に深く愛され、日本文化に根付いてきた宝石の一つといえます。
そもそも、翡翠を珍重するという文化は中国から伝わったようですが、中国では秦の始皇帝の遺体が玉(翡翠)で覆われているという伝説や、翡翠には不老不死の力が込められているという言い伝えがあることとも関係しているもかもしれませんね。
翡翠は、腕輪やその他の装飾品に加工、彫刻されることが現代まで受け継がれており、そのことは、翡翠が特に東洋において珍重され、それらの人の心を何世代にもわたって、つかんでいることの証とも言えるでしょう。
今回のお品物は
翡翠の置物と聞いてまず思い浮かべるのは、香炉ではないでしょうか。今回は香炉をあえてはずし、より大きめな置物に注目してみたいと思います。
さて、まずは、「翡翠置物 益寿園 木製台付」についてご紹介させて頂きたいと思います。木製の台座以外は、基本的には翡翠で作られています。置物に関しては、大きいものになると翡翠自体の質はあまり高くないものが多いと言えるかもしれません。翡翠の置物の査定では、翡翠自体の質ももちろん重要ですが、施されている彫刻の表現も大きな評価ポイントの一つになります。今回のお品物も下部の色見が少し薄いという印象は否めませんが、それでも、上部や側面の彫刻は精緻で細かく表現されており、査定ではしっかりと評価させて頂くことができます。
また、翡翠に込められた思いという意味からは吉祥の表現もよく見られます。鯉が表されているものはその典型でしょう。そのような置物も、査定における評価のポイントは彫刻の表現の技巧さといえるでしょうね。
さいごに