ガレの人気の秘密 技法について
ガレの人気の秘密
こんにちは!広島店鑑定士の倉本です!
今度友人に誘われてスキューバダイビングをすることになりました。瀬戸内海は波が少ないので初心者にもお勧めとか。後は藻が多いのでそれに集まる海洋生物がたくさんいるよー。とのこと。楽しみです。
さて今回はアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家。シャルル・マルタン・エミール・ガレについて。数々の賞を受賞し、会社を作り、彼の生み出してきた作品は今尚愛され続けています。「ガレ」の製品が他のガラス製品とどう違うのか。愛され続ける秘密のひとつ技法について書いていきたいと思います。
ガレの特徴として技法の種類が非常に多いことがあげられます。同じタイプの品でもあしらわれている技の種類が多いほどいいものとされ、当然人気もあります。
ガラスには素材などの違いにより細かい違いはあれど、その多くは透明で硬く、表面が滑らかで汚れが落ちやすいなどの特徴があります。
このような部分から食器や花瓶、照明などの装飾品には昔からガラスが使われてきました。
またガラスは熱することで溶けるので、様々な形を作ることができます。思い通りの形にするのは高いレベルの技術が必要ですが、ガレの模様はそのガラスの特徴を最大限生かしきったものだと思います。
ガレの技法について
さて技法についてですがほんとに多いです。今回は代表的なもののみ紹介しましょう。
まずは、「アプリカッシオン」。アップリケとも呼ばれるこの方法は、ガラスが熱いうちに別のガラスにくっつける技法です。これにより模様がレリーフのように立体的になります。ガレの作品ではアップリケした部分を、「グラヴュール」と呼ばれるガラス表面を削り彫刻を施す技法を行いさらに研磨を行うことで、立体的かつ写実的な模様を生み出すことに成功しています。
お次は「パチネ」。これはガレが考案した特殊なもので、ガラスの中にガラスを不透明にするための化合物を混ぜることで、さび色に曇らせることのできる技です。これを行うと、古い金属のような独特の質感を作り出すことができます。
最後に「マルケットリー」。こちらもガレが考案し、特許も持っている技法です。あまりの精巧さに1900年のパリ万国博覧会でパリ万博大賞を2つ、金賞を1つとっています。ガレがいまだにガラス細工の代表格たるゆえんはここにあると思います。
「マルケットリー」は加熱した下地に色ガラスの小片をはめ込み、もう一度熱を加えることで模様を作りだす方法です。これにより下地のガラスを模様が融合し独特な雰囲気を作り出します。
この技法。かなり難しいらしいです。ガラス細工の職人が集まるガレの工房でも製作の途中で多くが破損してしまうそうです。
しかし、難しい技法にこだわってでも作りたいものがある。その情熱が人気の秘密なのではないかと思うしだいです。
さいごに
今回はガレの技法について書かせて頂きました。紹介したのは一部です。またいつかの機会にそちらも紹介したいと思います。
そういえば、広島県にはガラスの里という素敵な施設があるんです。私も昔やったことがあるのですが、吹きガラスの体験なんかもできて一日楽しめること請け合いです。他にも小物やステンドグラスも作れたりするみたいです。ガラス細工に興味があれば是非いってみてください!
私もマイビールジョッキがほしいのでそのうちいく予定です。
その時ついでにお家にある、気になるお品を八光堂 広島店 にお持込いただけると非常にうれしいです!
今回の記事ですこしでもガレのすごさが伝われば幸いです。それではまた次回!!