【大阪本店:絵画買取】高沢圭一 油彩
美人画家・高沢圭一
1914年に群馬で誕生した高沢圭一。
第二次大戦前夜、陸軍の陸軍上海報道部で戦争画を描いていた高沢は、陸軍美術協会主催の展覧会「聖戦美術展」に100号の絵画「突撃路」を出品し、朝日新聞社賞を受賞しました。
このことがきっかけで高沢は、既にパリや南アメリカで成功していた画家・藤田嗣治(レオナール・フジタ)の弟子となります。
独特の妖艶なタッチを生み出した高沢は美人画で有名となり、個展を開催する傍ら、戦後は「週刊小説」、「週刊朝日」、「婦人公論」など、様々な雑誌の表紙絵も手がけました。
高沢の描いた美人画は、女性の淑やかさと艶かしさを表現し、まるで命を吹き込まれたかのような女性ばかりですが、驚くことに作品製作の際にはモデルを使わずに描き上げていたそうです。
また、高沢は本田技研(ホンダ)の創業者・本田宗一郎とも交流があり、当時のオートバイ業界では後発メーカーであったホンダにデザイン顧問として招かれます。
1952年には、現在の「スーパーカブ」の原点となった自転車用エンジン「カブF型」のポスターも手がけました。
晩年にはエッセイを執筆したり、五木ひろしのレコードのジャケット画を手がけたりと、幅広く活動しています。
美人画とサブカルチャー
高沢圭一の描く美人は、同じく美人画で知られる竹久夢二のそれと対比されることがよくあります。
夢二が描く女性が丸く柔らかく印象を受けるのに対し、高沢の描く美人はシャープで、リリシジム(叙情主義)を感じさせます。
活動時期の違いもありますが、美人画という同一カテゴリでありながら、ある意味で対極の存在となっています。
大正・昭和期の代表的な美人画家として、高沢や夢二のほかには高畠華宵、中原淳一、志村立美、杉浦非水、蕗谷虹児らがよく知られています。
これらの作家による技法は、旧来の美術の世界だけではなく現在の漫画やイラストレーションにも受け継がれています。
1970年代に「同棲時代」や「修羅雪姫」などの劇画で一世を風靡した上村一夫。
アニメーター出身でロッテのキャンディ「小梅」のパッケージイラストなどで知られる林静一。
世界中でカルトな人気を誇る漫画「少女椿」の丸尾末広。
最近では小説「四畳半神話大系」の挿絵で有名な中村佑介・・・など、美人画の技法に影響を受けた作家は枚挙に暇がありません。
皆様も身近なところから美人画の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
さいごに
古美術八光堂は、高沢圭一をはじめとした美人画家の作品の買取に力を入れております。
査定は無料となっておりますので、お手元に眠っている作品がございましたら、ぜひお問い合わせくださいませ。