【富山店:絵画買取】小山敬三 油彩
小山敬三の生い立ち
小山敬三は長野県小諸市にある商家の生まれです。
商家でありながら武士階級の待遇を小諸藩から受けていた小山久左衛門を父に持ち、また兄の邦太郎は初代小諸市長や参議院議員を務めた人物で、小諸に縁の深い一家の中で育った経緯があります。
自然豊かな長野の地で育った小山は、大学入学のため故郷小諸を離れ、後に芸術の道を歩む為に藤島武二に師事します。
1920年には島崎藤村の後押しで渡仏し、シャルル・ゲランから油彩画を学びました。
ここで学んだ油彩画が、後に築き上げた独特な画風の礎となったのでしょう。
余談ですが、小山は当時まだ珍しかった国際結婚をしており、奥様はフランスの方だったそうです。
結婚生活では奥様の故郷であるフランスの文化に刺激を受けたことでしょう。
小山の作品を見る際にはそのような背景を思い浮かべながら鑑賞するのも楽しいかもしれませんね。
1928年に帰国した後、神奈川にアトリエを設けて日本での活動を開始し、1970年には文化功労者、翌71年には小諸市名誉市民称号を与えられています。
小山敬三の作風
彼の作品で著名なものは「赤浅間」と「白鷺城」が挙げられるでしょう。
両作品共に迫力あるアングルで描かれている点が特徴的だと私は感じます。
「白鷺城」は無機質な建物であるにもかかわらず、魚眼レンズを覗いたような湾曲した瓦屋根や漆喰の白さの温かみなど、本来肉眼で見た時には感じる事の出来ない小山敬三独特の表現で描いています。
特に雲を纏った浅間山のモチーフは鮮やかな色使いと独特な画風で、一度目にするとその印象が強く頭に残ります。
温かみがあるタッチで表現された柔らかな稜線など、どこか想像を掻き立てられるような抽象的な描き方が特徴的です。
他にも薔薇などの静物画も多く描いていますが、どれも柔らかなタッチの色彩豊かな作品で、自然をこよなく愛した小山敬三の優しい人柄までもが表現されているような作品ばかりです。
そんな小山敬三の作品を納めた美術館が、長野県小諸市にあります。
ぜひこの冬は浅間山の冬山を堪能しつつ、小山敬三美術館で芸術に浸る――なんていかがでしょうか。
さいごに