【博多店:茶道具買取】土田友湖 袱紗
袋師・土田友湖
土田友湖(つちだゆうこ)は現在十二代まで続いている袋師(ふくろし)で、当代は1965年に襲名しています。
袋師とは、茶入を包む袋やそれらお茶道具を包む袱紗(ふくさ。服紗)などを作る職人です。さらに土田友湖は千家十職のひとりでもあります。
ここで“友湖”の名前の由縁について気になる方もいらっしゃるかもしれません。
私も始めてその名前を聞いたときは女性の方かと思っていましたが(笑)、表千家・七代如心斎とともに琵琶湖で船上から月見を楽しんでいた際に、如心斎よりその名を授かったという逸話があります。
“湖の友”で「友湖」――。雅で風流な名前ですね。
このように名前の由縁や由来なども調べてみると面白い発見があるかもしれません。
ご自宅のお茶道具や骨董品などを八光堂へお持ちいただける機会がありましたら、是非そのような由縁も交えてお話が出来ればうれしいですね。
飾らない姿勢
次に私個人が感銘を受けたのは、土田友湖の決して飾らない姿勢と袋(仕覆)への想いでした。
“飾らない姿勢”というのは、「自身の作品(袋)はあくまで脇役である」と言っているところです。なんと、袋はお茶席の主役ではないと言い切っているのです。
自身の作品に対してそこまで言い切れるのは、お茶の侘び・寂びの精神に通ずるものがあるようで、この謙虚な姿勢は非常に見習いたいと私自身感じました。
思いやりから作られる作品
自身の作品を「必要な道具ではない」と言っても、ぞんざいに扱っているわけではありません。その袋への想いは、調べれば調べる程に感服しました。
まず、その袋に入れるお茶道具がどれだけより良く魅せる事ができるのかと相手(道具)の事を思いやる気持ちから作られているそうです。謙虚な姿勢があるからこそ、相手の事を思いやれるのですね。
そして使用する人が喜ぶ姿を想像して作品作りもされているそうで、それもやはり思いやりがあるからこそですね。
これはどのような場面でも必要な事ですが、改めて相手を思いやることの大切さを学べたと思います。また、お茶の世界を知らなければ良い作品は作れないと言い、茶道の心を学び続ける姿勢も持ち続ける、とても素晴らしい職人なのです。
さいごに
時代は日々凄まじい勢いで変化をしていますが、土田友湖のようなこの思いやりがあれば、様々な変化に対応して未来永劫語り継がれる素晴らしい作品を今後も作り続けていけるのでしょう。
それでは、ブログをご覧の皆さまと八光堂でお会い出来る日を楽しみにお待ちしています。