【広島店:陶器買取】中川自然坊 徳利
中川自然坊について
さて、今回は佐賀を代表する陶芸家の一人、「中川自然坊(なかがわ じねんぼう)」の人気の理由についてお話いたします。
中川自然坊は、昭和28年に佐賀県松浦郡玄海町に生まれます。
一時は会社勤めをしていたようですが、20代で脱サラし一念発起して陶芸家の道へ進みます。
唐津焼の窯元「鏡山窯」で修行をし、その5年後には生まれ故郷の玄海町で自身の窯を築窯しました。それからおよそ30年にわたり、自身の「自然坊窯」で作陶を続けています。
玄海町はその名前の由来ともなる玄界灘に面しており、対馬暖流の影響で一年を通して気温の変化が少ない土地柄だそうです。そういった意味でも、窯を作るには良い場所だったのではないでしょうか。
唐津焼は李氏朝鮮から伝来した伝統的な技法を今尚受け継いでおり、大掛かりな窯を使用した高温の焼き締めによって生まれる素朴さや味わい深さが人気の焼き物です。
その中でも中川自然坊は「焼き」に力を入れており、朝鮮唐津や粉引唐津など、とことん焼きぬいた作品が持ち味といえるでしょう。
中川自然坊ならではの作品
また、中川自然坊は非常にエネルギッシュな人柄が有名で、修行時代は片道20kmの道のりをマラソンしながら(!)通っていたそうですし、ケンカをすることも多かったと聞きます。
晩年、病院に入っているときも窯に酸素吸入器を持ち込み、作陶を続けようとしていたなどパワフルなエピソードが多すぎて語りきれないほどです。
そういった人間性や妥協のなさ、一途さなどが作品にも表れています。
とにもかくにも妥協なく焼きにこだわった自然坊ならではですが、作品は歪んだり潰れたりする限界ギリギリまでに焼かれており、実際に一部が潰れていたり、歪みがある品が多いのですが、その荒々しさや個性が人を惹き付けてやまないのだと思います。
自分の追い求める形を、ただがむしゃらに追い求めたからこそ生み出された唯一無二の焼き物が、中川自然坊の作品なのです。
さいごに
古美術八光堂では、中川自然坊の作品はもちろん、幅広いジャンルの査定・買取を行っております。
気になるお品がありましたら、お気軽にいつでもお問い合わせください。