クイーンズウェアとして知られる陶磁器ブランド・ウェッジウッドの魅力
1759年に設立されたイギリスの高級陶磁器ブランド「ウェッジウッド(WEDGWOOD)」。ウェッジウッドは、260年以上にわたって洗練されたデザインと繊細で上品な絵柄・豊富なパターンで世界中のテーブルを彩ってきました。
ティーセットなどはコレクションの種類やカラーバリエーションが豊富で、色違いで揃える楽しみもあります。今回はそんなウェッジウッドの成り立ちや特徴・評価などについてご紹介します。
英国王室御用達ブランド・ウェッジウッドの歴史と成り立ち
▲ウェッジウッドが生まれたイギリスの街並み
ウェッジウッドを設立するまで
ウェッジウッドは1759年イギリスで設立されました。設立者は「英国陶工の父」と呼ばれるジョサイア・ウェッジウッド。彼は陶器業を営む家に生まれ、幼いころから陶器作りをしていました。29歳でウェッジウッドの前身ブランドであるアイヴィーハウス工房をはじめ、「クリームウェア」「ジャスパーウェア」といった新製品を発表し、ウェッジウッドを設立しました。
ウェッジウッド設立から「クイーンズウェア」の名を名乗るまで
1765年、ウェッジウッドはシャーロット英国王妃から王室御用達の陶工として認められ、エナメル加工されたクリーム色の陶器「クリームウェア」を「クイーンズウェア」と命名することを許されました。これを機にウェッジウッドの名はイギリスをはじめ、ヨーロッパ各国の王族や貴族にまで知られるようになり、一躍有名になります。
黒色の陶器「ブラックバサルト」の完成
1769年に黒色の陶器「ブラックバサルト」を完成させました。そして、古代の蝋画のような絵付けを施し、この技法を「蝋画法」として特許を取得しました。
代表作である「ジャスパーウェア」の完成
1774年にはウェッジウッドの代表作である「ジャスパーウェア」が完成しました。ブラックバサルトの蝋画法を踏襲し、カメオ装飾されたデザインは、既存の陶磁器には見られない革新的なものでした。このジャスパーウェアは発表から240年以上たった現在でも生産され続け、人気を博しています。
ジョサイア・ウェッジウッド・アンド・サンズとして法人化
ジョサイア・ウェッジウッドの死後、ウェッジウッドの経営は息子のジョサイア2世に引き継がれました。その後も5世まで経営は世襲され、1895年にジョサイア・ウェッジウッド・アンド・サンズ(Josiah Wedgwood & Sons)として会社が法人化されました。
さらに1987年には、2世によって完成されていた「ボーン・チャイナ」の生産が開始されました。このコレクションは現在もブランドの代表作として知られています。
20世紀以降のウェッジウッド
ウェッジウッドの工場は、長らくイギリス北部のエトルリアにありましたが、設備や敷地拡大のため1936年にバーラストンに移転され、1940年から運営が始まりました。この移転により、生産量は以前の20倍以上に拡大しました。
1960年代に入ると、多くの老舗陶磁器会社を買収し、会社の規模は倍以上に。1970年代には、引き続き陶磁器会社を買収するとともに陶磁器以外のガラスメーカーなどの買収にも乗り出し、事業内容を広げます。1986年にはウォーターフォード・ウェッジウッド社が誕生し、ウェッジウッドはこの傘下に入りました。1995年にはウェッジウッド社は低価格の硬質磁器を発売。これを機にウェッジウッドはイギリスの一般家庭でも親しまれるブランドへと成長しました。
ウェッジウッドの作品の特徴。長い歴史で数々のシリーズを展開
ウェッジウッドは長い歴史の中で数々のシリーズ作品を作り上げてきました。「クリームウェア」や「ブラックバサルト」や「ジャスパーウェア」「ボーン・チャイナ」など多くの代表的なシリーズがあります。ここでは、それぞれのシリーズの特徴についてご紹介します。
クリームウェア
クリームウェアはまだ白い陶器を作るのが難しかった時代に、創設者のジョサイアが作り上げたクリーム色の陶器です。このシリーズをきっかけに、ウェッジウッドは「クイーンズウェア」の称号を手にしました。西洋陶器の世界に革命を起こした作品と言えます。
ブラックバサルト
ウェッジウッド・ジョサイアは、「黒は純粋であり、永遠である」という言葉も残すほど、黒に対する強いこだわりを持っていたと言われています。そんな彼が考案したのが、美しい光沢を放つ黒色の陶器「ブラックバサルト」でした。
ジャスパーウェア
現在でもウェッジウッドの人気の一端を担うのが、このシリーズです。パステル調の色味が特徴で、中でもブルーは「ウェッジウッド・ブルー」と呼ばれ、ウェッジウッドの象徴的な色とされています。ブラックバサルトの蝋画法を踏襲し、カメオ装飾されたデザインが特徴的です。ジャスパーの技法を用いて製作された「ポーランドの壺」が特に有名。ウェッジウッドの商標としてバックスタンプにも使用されています。
ボーン・チャイナ
美しい絵柄と繊細な模様が特徴的なボーン・チャイナは、創設者の後を継いだジョサイア2世によって完成されました。牛などの骨灰を陶土に混ぜ込むことによって強度が強くなり、実用性が高くなっています。現在でも人気の「ワイルドストロベリー」や「ユーランダー」などもこの製法で作られています。
ウェッジウッドの評価は?今も人気の陶磁器ブランド
「ジャスパーウェア」や「ボーン・チャイナ」などの製法は現代まで受け継がれており、その確固たる人気は衰えることなく続いています。世界有数の陶磁器ブランドとして知られ、世界中にコレクターが多数います。そんなウェッジウッドゆえに、作品によっては高額で取引されているものも多くあります。
ウェッジウッド買取
ウェッジウッドの作品紹介
「ウエッジウッド ワイルドストロベリー」
幸せを運ぶモチーフとして古くからイギリスの人々に愛されている「ワイルドストロベリー」。ヴィクトリア調のワイルドストロベリーの図柄は、ウェッジウッドの代表的なモチーフとして今なお愛されています。かわいらしい野イチゴの柄は女性に大変喜ばれ、ティータイムを彩ってくれるテーブルウェアです。
「ウェッジウッド ジャスパーウェア」
印象的なブルーは「ウェッジウッド・ブルー」と呼ばれるほど、ウェッジウッドのアイコニックカラーとされています。
蝋画法の技術でカメオ装飾された立体的なデザインはまさに美術品。テーブルウェアだけに留まらず、花瓶などの身近な陶器をはじめ、ボタンやハイヒールのかかと部分など、今までの陶器とは別のジャンルでも制作されました。
「ウェッジウッド ユーランダー パウダールビー」
ユーランダーシリーズは、ルーズベルト米国大統領が主宰する晩餐会にて使用するテーブルウェアを、ホワイトハウスが特注で依頼したものを元に制作されたという背景があります。鮮やかなルビーの縁をさらに金彩で縁取り、見た目も華やかで上品なテーブルウェアとなっています。
まとめ
ウェッジウッドは数ある食器ブランドの中でも憧れのブランドであり、コレクター人気も高く、アイテムによっては高値で取引されているものもあります。キズや汚れがあっても、査定額が高くなる作品も。ウェッジウッドの作品の買取を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
陶器高額買取