遺品整理業者とは?遺品整理業者を選ぶ際のポイントと注意点
ご家族やご親族が亡くなった後に必要な遺品整理。近年は核家族化が進み、親族だけでは遺品整理が難しいという現実も。そんなときに頼りになるのが、遺品整理業者です。今回は、遺品整理業者に任せるメリットや業者選びのポイント・注意点などをご紹介します。
遺品整理業者とは?どんなことをしてくれる?
まずは遺品整理業者とは、どのようなことをしてくれる業者なのかご紹介します。
遺品整理業者とは
遺品整理業者とは、遺族に代わって遺品整理を行ってくれる業者のことです。遺品の仕分けから貴重品の捜索・不用品の処分などを依頼できます。業者によってはハウスクリーニングや遺品の供養・お焚き上げ・不用品の買取なども行っていることも。
遺品整理士とは
遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士認定協会が発行している民間資格。資格を得るには、同協会が開設する遺品整理に関する通信講座を2ヶ月間受ける必要があります。遺品整理士が在籍しているかどうかは、良い業者を見極める際の重要なポイントです。
遺品整理を業者に頼む5つのメリット
それでは、遺品整理業者に遺品整理を依頼することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
以下で詳しくご紹介します。
短時間で遺品整理を完了させられる
遺品整理は引越しの準備や日々の清掃や片付けとは比べ物にならないほど、時間がかかるのが普通です。遺品を手放すものと残すものに仕分けするところから始まり、不用品の処分や清掃など、やらなければならないことがたくさんあります。仕事がある方や遠方の方の場合、なかなが作業が進まないこともありえるでしょう。その点、遺品整理業者を利用すれば、物の仕分けから不用品処分まで短時間で完了させられます。
大型家具など重い物の運び出しをしなくて済む
遺品整理の際には、家電製品や大型家具など重い荷物を運搬しなければなりません。物の量が多い場合はもちろん、体が不自由な方や高齢の方にとっては困難ともいえる作業です。遺品整理業者に依頼すれば、こういった重い荷物の運搬を自分でする必要はありません。
相続や空き家などの問題を専門家に相談できることも
遺族の方は、遺品整理とともに遺産の相続についても考える必要があります。遺産の中に資産価値の高い物品がある場合は特に、相続税のことも気にとめなければいけません。また、故人が持ち家に住んでいた場合、その家屋や土地をどうするかについても検討が必要。遺品整理業者によっては、そういった悩みを相談することも可能です。
遺品の供養やお焚き上げをしてもらえる
遺品の中には、人形やぬいぐるみなどそのまま処分するのはちょっと…という品もあります。また、最近ではフォトアルバムや日記などはデータ化して物自体は処分を希望する方もいらっしゃいます。そういった場合に、遺品整理業者によっては遺品をそのまま捨てるのではなく供養・お焚き上げをしてくれる業者も。故人が大切にしていたものであれば、そういったサービスがあると嬉しいですね。
遺品の買い取りが可能な業者も
業者によっては遺品の買取をしてくれる業者もあります。まだ使える家電製品や家具などは、状態によっては買取も可能。ご自身でリサイクル店に持って行ったりオークションに出したりする手間が省けるのはとても楽です。
遺品整理を業者に依頼する3つのデメリットとは?
メリットだけでなく、デメリットもしっかり押さえておきましょう。
遺品整理業者に依頼するデメリットとしては以下の3点が考えられます。
自分で遺品整理するより費用が高くなる
遺品整理業者に依頼した場合、自分で行うよりも費用が高くなる傾向があります。家の広さや部屋数・物の量などによっては高額になることも。自分で遺品整理する際にも、段ボールやゴミ袋・台車など必要なものを準備する費用や粗大ゴミに出す費用などがかかりますが、多くの場合自分で行った方が安く済みます。
気持ちの整理をつける時間が取れなくなる
「遺品整理をすることで気持ちの整理ができた」という声を遺族の方からよく聞きます。遺品と向き合うことは、故人との思い出を振り返って死を受け入れ、前に進むためのプロセスとも言えます。遺品整理を業者に任せてしまうとその時間がとれないため、気持ちの切り替えや整理がしづらくなるかもしれません。
大事なものを誤って処分されてしまう可能性がある
遺品整理業者に関するトラブルとして多いのが、「大切なものを処分されてしまった」というもの。意思疎通がうまくいっていなかったり、確認不足やすれ違いがあったりすると、こういった事態が起こりえます。
遺品整理費用の決め方と相場について知っておこう
遺品整理業者のサービス料金・料金設定の仕方は、業者によって異なります。
料金の決め方としては以下の3つの方法が考えられます。
・物の量に合わせて価格を決める
物の量をトラックの積載量で判断し、料金を設定する業者は少なくありません。ただし、正確な見積もりが難しいため、見積もり額と請求額に開きが出ることもあります。
・部屋の大きさで価格を決める
例えば、「1LDK:7万円〜15万円」「4LDK以上:30万円〜60万円」というように、部屋の大きさや部屋数によって価格を設定している業者もあります。ただし、物が多い場合は価格が変動することも。
・1点ごとに価格を決める
例えばエアコンは1万円、大型タンスは2万円というように運び出しが必要な物品1点ごとに価格を設定している業者もあります。ただし、こういった料金形態は不用品回収業者に多く、遺品整理業者ではあまり見かけません。
遺品整理はサービス内容に合わせて料金が変わる!
遺品整理の料金は、サービス内容にあわせて料金が変動することもあります。料金に影響する項目としては以下が挙げられます。
・処分品の種類
処分品の種類によっては料金が高くなることもあります。例えば、エアコンや冷蔵庫・テレビ・洗濯機などは、2001年に施行された「家電リサイクル法」に従って規定のリサイク料金が発生します。
・繁忙期や作業希望日
繁忙期にあたる3月〜4月前後は料金が割高になることもあります。また、作業希望が近いケースでも料金が高くなることがあります。
・出張費用
エリアによって出張費用が別途必要になることもあります。安く済ませたいのであれば近隣の業者をあたるのが良いでしょう。
・駐車場の有無
遺品整理の作業時には不用品を回収するためにトラックなどの車を使用します。駐車場がなく近隣のコインパーキングなどを利用する場合はその費用を別途支払う必要があることも
・吊り作業・階段作業
エレベーターがなく階段を使って荷物を運搬しなければならない場合や、ピアノやベッドなどエレベーターや階段を使って下ろすことができない荷物がある場合には、階段作業費用や吊り作業費用がかかることがあります。
・その他のオプションサービス
遺品整理業者の基本的なサービスに含まれているのは、遺品の仕分け作業・貴重品の捜索・不用品処分の3つ。このほかに、遺品の供養やお焚き上げ・特殊清掃・自動車やバイクなどの処分などのオプションサービスをつけたい場合は、その費用が別途必要です。
遺品整理(不用品回収の場合)の料金の決まり方
ケース1:「父親が他界したので、実家の一軒家を整理したい」
地域:京都府
部屋の大きさ・部屋数:3LDK
作業人数:4名
作業時間:7時間
見積もり金額:39万円
ケース2:「賃貸物件に一人暮らしの祖母が他界したので、急ぎで整理・清掃したい」
地域:神奈川県
部屋の大きさ・部屋数:1LDK
作業人数:2名
作業時間:4時間
見積もり金額:6万5千円
遺品整理業者の上手な選び方。ポイント13項目とは?
ここまでにご紹介した内容を踏まえ、遺品整理業者を選ぶときは以下のポイントをチェックしましょう。必ずチェックすべきポイントとともに、プラスアルファとして遺品供養や清掃・不用品の買取など遺品整理以外のサービスがあるのかどうか、アフターサービスについても確認しておくと安心です。
また、見積もりをとるときは、ひとつの業者だけに絞るのではなく複数業者に依頼をして相見積もりをおすすめします。各社の違いを比較すると、最適なサービス・妥当な費用の業者を選びやすくなります。
必ずチェックしたい7つのポイント
□見積もり書に詳細が記載されているか
□一般廃棄物収集運搬許可証(※1)を有している、または許可を持った業者と提携しているか
□古物商(※2)の許可をとっているか、また古物商許認可番号を公に公開しているか
□遺品整理士が在籍しているか
□スタッフの対応が丁寧か
□HPにスタッフの顔写真や会社概要・代表挨拶・企業理念などが載っているか
(※1)一般廃棄物収集運搬許可証とは
産業廃棄物以外の一般廃棄物を収集・運搬するための許可のこと。この許可証がない・または許可証を有する外部業者と提携していない場合、回収した不用品を不法投棄している可能性も考えられる
(※2)古物商とは
古物営業法に規定される古物を売買または交換する業者のこと。古物商として営業するには、営業所を管轄する都道府県公安委員会の許可が必要。
プラスアルファでチェックしたい6つのポイント
□遺品の供養やお焚き上げをしてくれるか
□清掃(ハウスクリーニングや特殊清掃)も行ってくれるか
□相続問題や空き家問題の相談に対応してくれるか
□即日対応もしてくれるか
□不用品と貴重品の仕分けをしてくれるか
□貴重品の買取提案をしてくれるか
捨てる?売る?価値の判断に迷ったときはまず査定!
遺品整理の際に価値がありそうな美術品や骨董品などを見つけた場合は、処理に迷ってしまうこともあるのではないでしょうか?そんなときは、自己判断で処分せず買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。意外なものが大きな価値を持つこともあるので、ぜひ利用してみてください。
遺品・蔵整理高額買取
まとめ
ご家族やご親族が亡くなった直後は、通夜や葬儀・各種手続きなどに追われがち。その上で遺品整理までしなければならないと思うと、気が重くなってしまう人も多いはずです。そういった場合は、無理をせずに遺品整理業者の助けを借りるのも選択肢のひとつだと言えるでしょう。