価値のある美術品とは?査定方法と種類別の特徴・価値を解説
絵画や彫刻作品・陶芸品といった美術品の中には、価値が高く高値で取引される作品が存在します。テレビなどで、「家の倉庫に眠っていた美術品を査定したら何百万円という値段がついた」などの驚きエピソードを見たことがある方は多いかと思います。そこでこの記事では、どのような美術品に価値があるのか、美術品の価値はどのような基準で決まるのかなどについてご紹介します。
そもそも美術品とは何を指す?
まずは、そもそも美術品とは何かについて解説します。
美術は芸術のカテゴリーのひとつ
日本において芸術は、文芸、美術、音楽、演劇・映画の4カテゴリーに大別されています。つまり美術は、芸術の一分野。視覚によって捉えることを目的に表現された造形芸術を総称して、美術と呼んでいます。
美術に含まれるジャンル
美術をあえて定義すれば、「視覚によって捉えることを目的に表現された造形芸術の総称」となります。そのため、非常に広範囲なジャンルがここに含まれます。
・絵画(日本画・洋画)
・浮世絵
・彫刻
・書道
・折り紙
・陶芸
・工芸
・華道
・写真
・建築
・庭園
美術というと、絵画や彫刻のイメージが強いかもしれませんが、建築や庭園も美術というジャンルに含めることができるのです。ただし、「美術品」という場合は、絵画や浮世絵・彫刻・書道・陶芸・工芸などを指すのが一般的です。
美術品は、美術の中でも売買が盛んで、さまざまな価格帯のものが市場に流通しています。一見すると価値があるように見えなくても、実際は高値で流通しているものも多々あります。絵画や浮世絵・彫刻・書道・陶芸・工芸などのジャンルの美術品をお持ちで、「自分では価値がわからない」という方は、査定に出してみることをおすすめします。
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美術品が持つ価値とは?
美術品にはさまざまな価値があります。これは、「どういった目的で美術品を所有するのか」という話でもあります。
個人の嗜好品として
ひとつは個人的な嗜好品としての価値です。美術品を購入する動機として一番多いのは、「この絵が好きだから家に飾りたい」「この作家が好きだから購入したい」といった個人的な好み・嗜好ではないでしょうか。個人的な嗜好としての価値は、美術品の価値を考える際に一番基本的な部分だと言えるでしょう。
社会的な評価を得る手段として
美術品には、所有することで社会的な評価を得られるという価値もあります。希少で高価な美術品は所有していることがある種の社会的ステータスになることも。また、ある作品を所有することで共通の嗜好を持つ人たちとの交友関係が広がることもあるでしょう。
資産として
美術品には資産としての価値もあります。ここで言う美術品の資産価値とは、「売却した際に現金化できるかどうか」です。購入したときよりも高額で売却できるという意味ではなく、売却額が購入額より安かったとしても少しでも換金できれば資産として成立します。
美術品は、何代にもわたって引き継ぐことができます。適切な環境で保存されていれば長期にわたって所有することが可能で、作品によっては年月とともに価値が高まっていき、何かのきっかけで爆発的に価値が上がることもあります。
投資対象として
美術品を投資目的で購入・売買する人も少なくありません。一般的に投資というと株や不動産などをイメージしますが、美術品も投資対象として人気があるのです。すでに人気がある有名作家の作品はもちろん、将来の可能性にかけて若手作家の作品を扱う人も。簡単に売却できるとは限りませんが、作品によっては1点あたりの単価が高額になり大きな利益を生むこともあります。
美術品の価値はどのようにして判断される?
「倉庫に眠っていた美術品を査定に出したら、何百万円の値がついた」「ある作家のある作品が、アートオークションで何億円という高値で取引された」など、美術品の高額取引に関する話を聞いたことがある方は多いと思います。美術品に高額な値段がつくのは、価値が高いと判断されたからです。では、美術品の価値は具体的にどんなポイントで判断されるのでしょうか。
作家によって判断される
美術品の価値を判断する際に最初に問われるのは、「誰が作った美術品なのか」。作家の知名度は、美術品の価値に直結します。有名な作家や評価されている作家の作品ほど価値は高くなります。もちろん本物か贋作かどうかも判断基準のひとつで、本物でなければ価値は大きく下がります。
作品の希少性で判断される
「その作品が世の中にどれだけあるか」というのも、美術品の価値を左右します。人気の作品でも世の中に多数出回っているとその分希少性は低くなり、価値は低下。点数が少なく希少性の高い美術品は価値が上がります。
作品の作られた年代で判断される
「いつの時代につくられた作品なのか」というのも重要なポイントです。基本的には作られた年代が古い美術品は価値が高くなる傾向があります。特に明治時代より前に製作された美術品は、高い価値がつけられやすいと言えます。ただし、古ければ古いほど価値があるかと言えばそうではありません。美術品にはそれぞれ「良き時代」というものがあります。例えば壺の場合、「平安時代から室町時代にかけて製作されたものが良い」と言われるように、美術品それぞれに人を魅了する作風・意匠・素材を備えた年代があるものです。
作品に使用されている素材で判断される
高度な技術を使って製作されている美術品も高い価値がつきます。例えば蒔絵や螺鈿。
蒔絵にも色々と技法がありますが、基本的には、漆面に漆で絵を描き、漆が乾かないうちにそれを金属粉や色粉などを定着させていくという装飾方法です。複雑かつ高度な技法が用いられ、漆自体の乾燥にも時間がかかる為1点の作品を作るのに長い時間を要します。その分、蒔絵が施されている作品は価値が高くなる傾向があります。
次に螺鈿。螺鈿とは、貝殻の内側の虹色光沢を持った真珠層を切り出した板状の素材を漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む装飾技法を指します。貝の真珠層を切り出すだけでも途方もない労力がかかるうえ、真珠層はとても脆いため1点の作品を完成させるまでには高い技術力が必要なため、蒔絵同様に製作に時間を要するため価値が高くなる傾向があります。
作品に用いられている技術で判断される
高度な技術を使って製作されている美術品も高い価値がつきます。例えば蒔絵。蒔絵とは、漆製品に絵を描き、それを色粉などで固めていくという装飾方法。複雑かつ高度な技法が用いられ、1点の作品を作るのに長い時間を要します。その分、蒔絵が施されている作品は価値が高くなる傾向があります。
作品のコンディションで判断される
美術品のコンディションも価値を大きく左右します。保存状態が悪く、作品に傷がついていたり汚れていたり破損していたりすると、いくら人気作家の作品でも評価は大きく下がってしまいます。
美術品の売却は専門店へ
「相続で美術品を譲り受けた」「家に眠っている美術品を売って現金化したい」といった方は、専門店に売却することをおすすめします。
美術品の査定には、専門的な知識が必要です。美術品と一口に言っても絵画から陶芸品・工芸品・彫刻作品に至るまでさまざまなジャンルがある上、美術品の価値を判断するには作家の知名度やつくられた年代・希少性・コンディションなど、さまざまな要素を複合的に鑑定しなければなりません。また、美術品は贋作や偽物も多数存在するので、その判断も必要です。
近年では、ネットオークションやフリーマーケットが普及し、中古品販売の文化が根付いたこともあり、総合買取店やリサイクルショップなどでも美術品の買取を行っています。総合買取店やリサイクルショップは、さまざまなジャンルの物を扱っている・売却がスムーズにできるといったメリットがある反面、必ずしも美術品に関する専門的な知識を持っている人がいるとは限りません。
前述したように美術品の価値を正しく判断するのは簡単なことではありません。専門的な知識を持って作品を見ることが必要。それができるのは、専門の査定士がいる買取専門店だけです。売却を考えている方はぜひ査定士のいる買取専門店を利用しましょう。
まとめ
美術品は、作品によっては想像以上に高い価値・買取価格がつくことがあります。家の押し入れや倉庫に美術品を眠らせている方や相続した美術品の扱いに困っている方は、ぜひ一度美術品買取専門店に査定依頼をしてみてください。
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