金貨を美しく保管するには?金貨の価値や保管方法を解説
古くから世界中で貨幣として使用されてきた金貨。現在ではコレクションや投資目的として注目を集めています。金貨は熱心なコレクターも多く貴金属として価値も安定しているため、近年は値上がり率も高い数値を維持しています。しかし、金貨に傷がついてしまうとせっかくの価値が下がってしまう可能性もあるので、金貨をお持ちの方は美しく保管しておきたいものです。
この記事では、金貨の価値と、価値を高く維持するための保管方法について詳しく解説していきます。
金貨とは?金貨の価値と人気の金貨
金貨とは、金を素材として作られた貨幣です。金は希少性が高く、かつ柔らかく加工しやすいうえ日常的な環境では比較的劣化しにくいことから、古来より世界各地で貨幣の材料として使われてきました。
現在も金貨は製造されていますが、純金で作られた金貨は流通するには柔らかすぎることから銀や銅などの合金が用いられています。流通を目的としない投資用の地金型金貨や記念硬貨などの収集型金貨には純金製のものもあります。
金貨の価値
金貨の価値は、金地金(金塊、インゴットともいいます)に製造費などの諸経費を上乗せした金額となります。具体的には金地金を金貨に加工するためにかかるコストや海外金貨の輸送コストなどのことであり、この付加価値のことを「プレミアム」といいます。
ただしプレミアムは国内・海外の市場取引の状況によって変動する可能性があるため、貴金属市場や金貨買取相場の変動には注意が必要です。
世界3大金貨
金貨の中でも「世界3大金貨」と称され人気が高い3種類をご紹介します。
1.メイプルリーフ金貨
カナダが発行する金貨。表面にはエリザベス2世が、裏面にはカエデの葉が刻まれており、純金でできています。
2.ウィーン金貨
オーストリアが発行する金貨。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団をモチーフにしており、裏面には楽器が描かれているのが特徴です。
3.カンガルー金貨
オーストラリアが発行する金貨。表面にはエリザベス2世が、裏面にはカンガルーが描かれています。カンガルーのデザインは毎年変更されます。
プレミアム価値の消失
金貨に大きな傷がついたり変形してしまったりすると、プレミアムが消失してしまうことがあるので注意が必要です。プレミアムが消失すると「金貨としての価値」を失い、重量×金価格の「金地金としての価値」のみとなります。
金貨のグレードは9段階に分けられる
金貨は状態によって9つのグレードに分けられます。グレードとは専門家が品質を適正に査定するために長年の経験と欧米の慣例を併せて格付けしたものです。
1.PF/Proof(プルーフ)
専用の極印を用いて製造したコイン。高度の霜降り状の艶消しを施し、鏡面状の仕上げを行っています。流通を目的としているものではありません。
2.PL/Prooflike(プルーフライク)
製造の初期段階にプルーフ上の仕上がりとなったコイン。
3.FDC/FleurDeCoin(完全未使用)
未流通で、製造時の状態を保っているコイン。
4.UNC/Unicirculated(未使用)
未流通の状態のコイン。製造や運搬、時代を経ることによってついた自然な傷があるものが多い。
5.AU/AboutUnicirculated(準未使用)
ごくわずかに流通されただけで、未使用に近い状態のコイン。
6.EF/ExtremelyFine(極美品)
流通によりできた傷が比較的少なく、本来のデザインがきちんと判断できるコイン。
7.VF/VeryFine(美品)
流通によりできた傷で不明瞭になっているものも多いが、本来のデザインが判別できるコイン。
8.F/Fine(並品)
流通により傷がつき、デザインも不明瞭なコイン。
9.VG/VeryGood(劣品)
流通により全体的に傷がつき、デザインも不明瞭なコイン。
アンティークコインとは
アンティークコインとは、主に100年以上前の歴史的価値を持つ古銭のこと。現在では世界に20万種類あるといわれています。
アンティークコインは金や銀などの貴金属で作られていることから価値が高く、大幅な価値の下落はほとんどありません。また、世界政治や経済情勢の影響をほとんど受けず常に一定の需要があるため売買等がしやすいことから、コレクションとしてだけではなく投資対象としても注目を集めています。
高い価値を維持するための金貨の保管方法
金貨は酸素や水に弱く、きちんと保管しないと劣化してサビや日焼けなどが発生してしまうことがあります。金貨の価値が下がらないように大切に保管する方法をご紹介します。
金貨の正しい扱い方
金貨を扱うときは、親指と人差しでコインの縁を挟むようにつまみます。表面に触れると指紋や傷がついてしまう可能性があるので注意が必要です。手袋の繊維がコインを傷つける恐れがあるため、手袋をする必要はありません。清潔な手で扱いましょう。
傷がつかない金貨の保管方法
金貨に傷がつかないようにするために、専用のコインケース・コインアルバム・鑑定機関で取り扱うスラブケースなどに1枚ずつ丁寧に入れて保管しましょう。金貨同士がぶつかると傷がつく可能性があるので、複数枚まとめての保管は避けましょう。
ビニールの袋などで保管すると化学物質が金貨に影響する場合がありますので、専門のケースを使用すると安心です。湿気が少ない冷暗所に保管し、なるべく出し入れしないようにしましょう。
安全に保管するためには
希少価値のある金貨を安全に保管するためには金庫がおすすめです。自宅の金庫で保管するか、自宅に置いておくのが不安であれば貸金庫や専門業者の保管サービスを利用することができます。自分に合った保管方法を選択しましょう。
金貨の手入れの仕方とおすすめの処分方法
金貨の汚れがどうしても気になる場合の、金貨の価値を下げない手入れ方法をご紹介します。
金貨にサビが生じる理由
金貨は酸素と水、塩に弱い性質を持っています。そのため何らかの原因で金貨の表面に水分が付着し空気に触れると、酸化してサビが生じます。
金貨の手入れ方法。布で磨くのは厳禁
金貨は一見ピカピカして光沢がある方が価値があるように感じてしまいますが、決して磨いてはいけません。どんなに柔らかい布を使っても表面に傷がついてしまう恐れがあります。傷や変形が生じてしまうと金貨のプレミアムが消失してしまい、せっかくの価値が下がってしまいます。
どうしても金貨のサビや汚れが気になる場合は、重曹を混ぜた水でつけ置き洗いをするか超音波洗浄がおすすめです。
金貨の処分には売却がおすすめ
金貨の価値を維持しながら持ち続けるのは手間がかかってしまうので手放したいと考えている方や、金貨の価値を知ってから持ち続けるか手放すかの判断をしたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。金貨の価値を一般の方が見定めるのは非常に困難です。
金貨の価値を正確に知りたい、売却を検討しているという方は、まずは専門店で査定をしてみることをおすすめします。鑑定士がいる骨董買取店などでも一枚一枚丁寧に鑑定してくれます。無料での査定や出張鑑定を行っているところもありますので、一度問い合わせてみましょう。
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まとめ
金貨は、美しいデザインで世界中のコレクターを魅了しているアイテムです。価値がわからない、傷がついている金貨でも、予想していた以上の価値がある可能性があります。
古くて摩滅している金貨であっても高値で取引されているものもあります。不要な金貨をお持ちの方、お持ちの金貨の価値を知りたい方は、ぜひお気軽に古美術八光堂へご相談ください。
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