浮世絵の保管方法は?手入れと扱い方、手放す場合はどうする?
浮世絵というと、美術館や博物館で鑑賞する芸術作品というイメージが強いかと思います。しかし、葛飾北斎や歌川広重といった人気絵師の浮世絵は、現在でも多数摺られており、自宅で楽しむことができます。ただし、浮世絵を自宅で保管する際には、いくつか注意点とポイントが。そこでこの記事では、浮世絵の保管方法や正しい扱い方などをご紹介します。
浮世絵とは?
浮世絵とは、江戸時代初期に生まれ一世を風靡した絵画ジャンルのひとつです。浮世絵がテーマとしたのは、自然風景や景色・人々の生活・役者・遊女などさまざま。葛飾北斎や歌川広重・鈴木春信など、有名絵師の作品は、現代でも非常に人気があります。
浮世絵の保管場所と保管方法
浮世絵は、「奉書紙(ほうしょし)」と呼ばれる手漉き和紙(てすきわし)に刷られているのが一般的です。そのため、紫外線や湿度変化に弱く、保管状況によっては変色したりシミやヤケができたりしてしまいます。浮世絵をこういったトラブルから守るには、正しい保管方法をとることが大事です。浮世絵を自宅で保管する場合の正しい方法や保管場所についてご紹介します。
浮世絵の保管は奉書紙に挟んで
浮世絵を購入すると、保管用の「たとう紙」が同封していることがあります。しかし、この「たとう紙」を一緒に保管するのは避けてください。たとう紙が原因で湿気が発生し、シミやカビが生じることがあります。
また、複数枚の浮世絵を保管する際は、作品同士が触れ合わないように気をつけてください。一枚ずつ奉書紙に挟んで保管すると良いでしょう。なお、奉書紙は書道具屋さんや和紙屋さん・ネットなどで購入できます。
浮世絵の保管は直射日光と湿度変化の少ない場所で
前述したように、浮世絵にとって大敵なのは直射日光と湿度変化です。浮世絵の保管に最適なのは、温度18〜20度、湿度50%程度の環境といわれています。一般家庭で浮世絵を保管する場合は、風通しの良いクローゼットや物置などが良いでしょう。
年間通じて湿度や温度を一定に保つのが難しい場合は、調湿剤を使ったり、定期的に風を通したりすることで劣化を防ぐようにしましょう。
また、虫食いを防ぐために防虫剤を一緒に保管するのも良い方法です。洋服用のものではなく、着物用の防虫剤がおすすめです。
定期的に「虫干し」作業を
浮世絵を長期間しまったままにしておくと、カビやシミ・変色が起きてしまうことがあります。定期的に「虫干し」という作業をすることが大切です。虫干しとは、日光に当てて風を通す作業のこと。天気が良くカラッとした日に、数時間虫干しをしましょう。時期としては7月前後または11月〜1月前後がおすすめです。
飾る場合は定期的に入れ替えを
お部屋に浮世絵を飾る場合は、UVカット性能のついた額縁に入れましょう。飾る場所は、直射日光の当たらない風通しの良いところに。また、ずっと飾りっぱなしにしておくと劣化が早まる恐れがあるので、定期的に入れ替えることをおすすめします。
劣化が気になる場合は、専門家に修繕を依頼して
保管方法や飾り方・扱い方に気をつけていても、カビやシミが発生してしまうことはあります。そういった場合、ご自身で修繕するのは難しいので、浮世絵専門の画廊やメンテナンス業者に依頼するようにしてください。
浮世絵を処分したい場合はどうすればいい?
美しく価値の高い浮世絵だからこそ、保管にはそれなりに手間がかかります。「自宅にある浮世絵を手放したい」「相続した浮世絵を手放したい」という方も多くいるかと思います。浮世絵を処分する方法には以下のようなものがあります。
友人や知人に譲る
浮世絵や絵画が好きな方がいれば、譲ってあげると良いでしょう。ご自身で手元に置いておけなかったとしても、愛好者の方に愛でてもらえるのであれば、作品にとってもそれが一番です。
フリマアプリやネットオークションで売る
フリマアプリやネットオークションは、手軽で便利。ただし、浮世絵を探している人がフリマアプリやネットオークションに多数いるかは定かではありません。また、見ず知らずの個人から高額なものを買う人というのは限られています。フリマアプリやネットオークションで販売することは可能ですが、洋服やゲームのようにスムーズには売れない可能性が高いことを覚えておきましょう。
リサイクルショップや不用品買取業者に売る
リサイクルショップや不用品買取業者に売るという選択肢もあります。フリマアプリやネットオークションよりは売れる可能性が高まるでしょう。しかし、浮世絵に対して正当な査定をしてもらえるかはわかりません。浮世絵の鑑定には専門的な知識が必要だからです。専門知識のあるスタッフがいないと、正しい価値を判断してもらうのは難しいでしょう。「実は非常に価値の高い品だったのに、互いに価値を知らずに安く買い叩かれてしまう」というのは、とてももったいないですよね。
浮世絵の買取専門店に売る
おすすめなのは、浮世絵に関する知識を持つスタッフの在籍する専門店に売るという方法です。専門店であれば、正しい鑑定のもと、適正な査定価格をつけることが可能です。
浮世絵高額買取
浮世絵を高く買い取ってもらうためのポイント
浮世絵の買取査定の際、ポイントとなるのは以下の項目です。
・作品のシリーズ・題材など
・落款やサインの有無
・付属品や鑑定書の有無
・コンディション(保存状態)
浮世絵の鑑定・査定において最も結果を左右するのは、「誰が描いたものか」ということ。有名作家であれば、人気・作品価値ともに高く、高額買取が期待できます。その際に鑑定書や付属品があるとなおよし。査定に出す際は鑑定書や付属品がないか探して、一緒に持ち込むようにしましょう。
まとめ
日本の伝統絵画である浮世絵。華やかで色鮮やかな作品は、現代絵画や西洋画とはまた違った趣がありますね。そんな浮世絵の魅力を維持するためには、今回ご紹介した保管方法や手入れ方法を参考にしてみてください。
なお、古美術八光堂では、浮世絵の買取を行っています。専門の鑑定士がいますので、価値を正しく判断し、適正な査定額をつけることができます。ご自宅に不要な浮世絵がある方は、ぜひご利用ください。
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