琥珀の保存方法は?美しさを保つための取り扱い・手入れのポイント
黄色〜褐色の独特の色合いと神秘的な輝きが人気の琥珀。しかし、琥珀はダイヤモンドやルビー・サファイヤなどに比べてとても柔らかく、デリケートな性質を持っています。取り扱い方や保存・保管方法を間違えると、せっかくの輝きが失われてしまう可能性もあります。そこでこの記事では、琥珀の取り扱いの注意点や保存のポイント・注意点などをご紹介します。
琥珀とは?琥珀の原産地や特長
琥珀ってどんな宝石?
琥珀は、3,000万年前から1億数千年前に生息していた樹木の樹脂が化石化したもの。太古の樹脂が高温の環境で高い圧力を受けたことで固まり、長い時間をかけて化石化したというわけです。琥珀の中には虫や花・葉っぱなどが入ったものが多くあるのも、こういった生成過程ゆえなのです。
琥珀の色
「琥珀色」という言葉があることもからもわかるように、多くの琥珀の色は黄色からオレンジ色・褐色です。しかし、中には赤いものや青いもの・緑のものなどもあり、こういったカラーのめずらしい琥珀は希少価値が高く市場でも高値で取引されています。
宝石としての琥珀
琥珀は、観賞用だけではなくジュエリーとしても用いられています。神秘的な輝きは、鉱物由来のジュエリーとは一味も二味も異なります。重量が軽く、重さを感じさせないつけ心地も優れた点だと言えるでしょう。また、身につけた際のソフトな肌触りも、有機質の天然ジュエリーだからこそ。カラーバリエーションも豊富なので、さまざまなファッションに合わせることもできます。
琥珀の産地
琥珀の主な産地は、ロシアのバルト海沿岸地域やドミニカ共和国・岩手県の久慈地方などです。ロシアの琥珀は埋蔵量が多く、現在市場に流通しているものの9割近くがロシア産だと言われています。ドミニカ共和国の琥珀は、虫入りやブルーアンバーと呼ばれる青色のものが多いという特長があります。岩手県久慈地方の琥珀は約8,500万年から9,000万年前のもので、南洋杉を起源としています。
琥珀の硬度は?
琥珀は宝石のひとつとして扱われていますが、植物由来のため、一般的な宝石(鉱物を原料としたもの)より柔らかいという特性があります。鉱物の硬さを表すモース硬度は、2.0〜3.0程度。ルビーやサファイヤの硬度が9.0であることから、その柔らかさがお分かりいただけるかと思います。そのため、琥珀の保存や扱いの際は、落としたり衝撃を与えたりしないよう注意が必要になります。
琥珀の取り扱いの注意点とポイント
琥珀は現在ジュエリーとしても人気が高く、ネックレスやブレスレット・ピアス・イヤリングなどに用いられています。琥珀のジュエリーを装用するとき・扱うときは、以下のポイントに気をつけてください。
落とすなどの衝撃に注意
前述したように琥珀は非常に柔らかい宝石です。モース硬度2〜2.5というのは、人の爪と同じくらいの硬さとも言われています。そのため、落としたりぶつけたりといった衝撃を与えないように注意する必要があります。また、ひっかいたり尖ったものが触れたりすると簡単に傷が入ってしまう恐れもありますので、丁寧に取り扱うようにしましょう。
温泉やサウナ・プール・お風呂では外して
太古の植物の樹脂の化石である琥珀は、自然由来であるため化学成分に弱いという性質があります。そのため、温泉のお湯の成分やプールの消毒液・入浴剤やシャンプー・ボディーソープなどに触れると、色が変わったり劣化したりする可能性があります。また、大量の汗が付着することでも変色や変質の恐れが。温泉やサウナ・プール・お風呂に入るときは、琥珀のジュエリーは必ず外すようにしましょう。
ヘアスプレーやコロンなど化学物質に触れないように注意
前述したように琥珀は化学成分との相性が悪いため、ヘアスプレーやコロンなどにも触れないように注意しましょう。琥珀のイヤリングやネックレスといったジュエリーを身につけるときは、メイクやヘアセットなどがすべて終わってから最後につけることをおすすめします。帰宅した後も、まず先にジュエリーを外すようにしましょう。
皮脂や汗をついたままにしない
琥珀に汗や皮脂がついた後そのままにしていると、変色したり変質したりする恐れがあります。琥珀が汗や皮脂で汚れたときは、柔らかい布でやさしく拭き取るようにしてください。詳しいお手入れ方法については、後の項目で解説します。
琥珀の保存方法
琥珀を保存する際は、以下のポイントに留意しましょう。琥珀はデリケートな宝石ですので、丁寧な扱いを心がけてください。
必ず個別で保管
琥珀は樹脂が化石化したもので、ルビーやサファイヤ・ダイヤなどといった鉱物由来の宝石よりも大変柔らかい性質を持ちます。そのため、ジュエリーボックスなどで他の宝石と一緒に保存すると、ぶつかったり当たったりした際に傷がついてしまう恐れがあります。区分けができるタイプのジュエリーボックスをお持ちの方は、そういったものを利用してもOKですが、そうでない場合、琥珀のジュエリーは必ずひとつずつ個別で保存するようにしましょう。
空気との接触を減らす
変色や変質を防ぐためには、空気との接触をできるだけ減らすことが大事です。空気が入らないようジッパー式の袋などに入れて、さらにそれを柔らかい布に包み、ジュエリーポーチや区分けができるジュエリーボックスに入れるようにしましょう。
琥珀の手入れ方法
琥珀の汚れが気になるときは、以下の方法でお手入れをしてあげてください。
ぬるい石鹸水で洗浄
デリケートな面が多い琥珀ですが、酸やアルカリに対しては丈夫という特長があります。そのため、汚れが気になるときは石鹸水で洗ってOKです。ただし、ひっかき傷がつかないよう、優しく指で擦る程度に留めましょう。スポンジなどでゴシゴシ洗うのは絶対にNGです。
洗浄後、柔らかい布で拭き取って
石鹸水で洗ったあとは、水でよく洗い流し、柔らかい布で水分を拭き取りましょう。このときもゴシゴシこすらないことが大事です。さらに表面の光沢を出したいときは、少量のオリーブオイルを布にとり、やさしく磨いてください。
超音波洗浄機は使わないで
琥珀は人の爪ほどの硬さしかない、非常にやわらかい宝石です。ジュエリー用やメガネ用の超音波洗浄機を使用すると細かな傷が入ってしまう恐れがありますので、避けてください。
アルコールや除光液で拭くのもNG!
酸やアルカリには強い琥珀ですが、アルコール成分には強くありません。消毒液や除光液などで拭いたり、これらが付着したりすると、溶けて表面が白く曇ってしまう恐れがあります。
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まとめ
何千万年〜何億年もの時を超えて存在する琥珀。悠久のロマンを感じる美しい琥珀は、今も昔も大変人気があります。琥珀製品をお持ちの方は、その美しさと価値を保てるよう、今回ご紹介した取り扱いや保存のポイントに留意してみてください。自身でメンテナンスを行う際には、アルコールや除光液、超音波洗浄機を利用すると、琥珀がダメージを受けてしまう可能性があります。十分に注意してメンテナンスを行いましょう。
なお、古美術八光堂では、琥珀の買取を行っています。専門の鑑定士がいますので、価値を正しく判断し、適正な査定額をつけることができます。ご自宅に不要な琥珀や琥珀ジュエリーがある方は、ぜひご利用ください。
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