茶道具はどんなものがある?茶道具の価値の見極め方と高価買取のポイントも
茶道具とは、茶道に使う道具のこと。茶道は「茶の湯」とも呼ばれ、古くから親しまれてきました。もともとお茶は中国から伝わったもの。そのため初期に使われていた茶道具は中国製の「唐物(からもの)」でした。戦国時代になると、千利休がわび茶を完成、日本流の茶道が発展していきます。そこで「和物」と呼ばれる日本の茶道具が作られ、現在まで継承されています。中でも由緒ある茶道具は高値で取引されています。
自宅に古い茶道具があるけれど、どこまで買い取ってもらえるのか、どれくらいの価値があるのか分からない方もいらっしゃるかもしれません。茶道具を買取に出す際にいくつかのポイントを押さえれば、価値が上がる場合もあります。この記事では、茶道具の歴史や種類と、茶道具の価値を高めるポイントを詳しく紹介していきます。
茶道具とは?
茶道具とは、「茶道に用いる道具の総称」です。抹茶・煎茶など茶の種類を問わず、茶道に使用する道具はすべて茶道具と呼ぶことができます。茶道を行う上で必要な茶道具は用途に応じて以下の5つに分類されます。
2. 点茶道具……茶入・茶碗・茶杓などのお茶を点てるための道具
3. 懐石用具……折敷(おしき)・椀・飯器・酒器などの懐石の際に使う道具
4. 水屋道具……水桶・茶掃箱などのお勝手で使う道具
5. 待合道具……円座・露地草履・煙草盆などの待合や露地で使う道具
茶道具の種類は?
茶道具の中でも代表的なものを10個ご紹介します。
1.茶碗(ちゃわん)
茶碗とは、お茶をいただくときに使う器のこと。産地や作家によって細かく分類されています。淹れるお茶の種類によって使う茶碗を変えるのが一般的です。濃茶には文様のない茶碗、薄茶には文様のある茶碗を使用するのが良いとされています。
2.茶杓(ちゃしゃく)
茶杓とは、抹茶をすくうための道具です。主に竹で作られており、スプーンのような役割を果たします。茶道具の中でも特に重要な道具の1つです。
3.棗(なつめ)
棗とは抹茶を入れる容器のこと。ナツメの実に形が似ていることからその名前がつけられました。もともとは黒い漆器で作られたものが一般的でしたが、時代の変化によって今では多様なデザインの棗が作られています。
4.水差し
水差しとは、茶席で使う水をいれておく道具のこと。お茶の温度調節や茶碗などをすすぐときなどに使用します。材質はさまざまで、陶器や金属、ガラスなどで作られています。同じ焼物で作られた蓋を「共蓋」、別で作られたものを「塗蓋」と呼びます。
5.柄杓(ひしゃく)
柄杓とは、水をくむための道具のこと。主に竹でできており、釜や水差しから水をくむときに使用します。大きさによって3種類に分けられており、それぞれ季節や用途によって使い分けます。
・炉用柄杓
水をくむ部分が大きめの柄杓。柄の持ち手側、先端の部分が表側で斜めに切られています。11~4月の寒い時期に使用します。
・風炉用柄杓
炉用に比べて小さめの柄杓。柄の持ち手側先端が裏側で斜めに切られているのが特徴。5~10月の温かい時期に使用します。
・炉用・風炉用兼用柄杓
中ぶりの柄杓です。柄の持ち手側先端がまっすぐに切られています。柄杓の練習用として使われます。
6.袱紗(ふくさ)
袱紗とは、茶器を清める布のこと。袱紗をつけている人が主人側であるという印となります。男性は紫色、女性は赤色を使用するのが一般的です。
7.茶釜(ちゃがま)
茶釜とは、お湯を沸かすために使う鉄製の釜のこと。11~4月の炉の時期は大きめのものを、5~10月の風炉の時期は小さめの茶釜を使用します。
8.茶筅(ちゃせん)
茶筅とは、抹茶を点てるときに使う道具のこと。竹でできており、流派によって竹の種類や形状が異なります。穂の荒いものは濃茶、穂の細かいものは薄茶に使用するのが一般的です。
9.懐紙(かいし)
懐紙とは、お菓子をのせるために使用する紙のこと。白無地の紙を使うのが一般的です。男性用は女性の懐紙よりも一回り大きいサイズのものとなります。
10.扇子(せんす)
扇子は、挨拶や礼儀目的で使用する道具です。膝の前に扇子を置き、相手と自分との距離をつくる結界を意味しています。これにより自分をへりくだり、相手を敬う態度を表します。
価値のある茶道具の特徴は?
茶道具の歴史は長く、さまざまな種類のものがあります。条件によっても価値が変わってくるため、一般の方が正確に価値を判断するのは難しいです。しかし、価値がある茶道具にはいくつかの特徴があります。
希少性の高さ
茶道具は「希少性」によって価値が変わります。まず誰が使っていた茶道具なのか、ということです。例えば戦国武将など偉人に関連する茶道具や、有名な骨董収集家の遺品などといったものであれば価値が高く評価されます。次に現存数が少ないもの。古伊万里や古九谷のように古い時代に作られたものや、その作家が手掛けた茶道具の数が少ないものなどが挙げられます。
家元の書付の有無
茶道にはそれぞれ正当な流派の家元があります。特に有名なのは、「三千家」と呼ばれる表千家・裏千家・武者小路千家です。家元によって使用する茶道具が違うため、家元のお墨付きである「書付」がついている茶道具は高く評価されます。
保存状態
保存状態が良いものであれば高く評価されます。日頃からきれいにしておくことが大切です。ただし、誤ったお手入れを続けてしまうと傷や色あせによって価値を下げてしまう恐れも。慣れていない方は、ほこりを払い柔らかい布で軽くぬぐう程度にしましょう。
箱や付属品の有無
茶道具には保管用の木箱である共箱が付いています。共箱には作家名やサイン、道具の銘などが入っている場合があります。これらは茶道具の価値を高める重要な要素です。
また、懐石道具についてはすべての小物が揃っていないと高く評価されません。付属品がある場合は、必ずセットにしましょう。
作家の著名度
誰が制作した茶道具かによって価値は変わります。当然作者が有名な品であれば高く評価されます。
茶道具の買取額を高めるポイント
不要な茶道具の売却を考えている場合はなるべく高く買い取ってもらいたいですよね。同じ茶道具で高く評価してもらうポイントがあります。
複数の茶道具をまとめて売る
茶道具は1つだけでは成り立ちません。購入する側もセットで購入するため、まとめて売却する方が需要があり、高く買取をしてもらえることが多いでしょう。
メンテナンスや手入れを行う
茶道具の査定を行う前に、手入れを行いましょう。ほこりを払い、柔らかい乾いた布で優しく拭いておきます。また、茶道具の多くは竹や木・陶器などでできています。直射日光や湿気に弱いものが多いので、査定までは直射日光の当たらない、乾燥した場所で保管しておきましょう。
書付・箱・付属品を集める
茶道具は付属品があることで価値が高まります。本物を保証する書付・共箱・鑑定書だけではなく、箱の蓋を留めている紐や風呂敷なども忘れないようにしましょう。
複数の買取店に見積を依頼する
複数の買取店に見積もりを依頼し、査定価格を比較しましょう。査定や出張買取が無料のところや、茶道具以外にも中古品の無料回収を行っているところも。ご自身の状況にあった業者を選びましょう。
茶道具の買取店を選ぶ際のポイントは?
茶道具を少しでも高く売却するために、買取店を選ぶときのポイントをご紹介します。
茶道具の買取実績が豊富
茶道具の知識と経験が豊富な専門の鑑定士が在籍しているかどうか確認しましょう。また過去に買取実績が豊富な業者であれば審美眼が養われているので安心してお願いすることができます。高く売却できるルートも持っているため、査定額が上がる可能性もあります。
茶道具に詳しい鑑定士が所属している
茶道具は歴史が古く、作品は多岐に渡るため、一般の方が価値を正しく判断するのは非常に困難です。茶道具に詳しい鑑定士が所属している会社であれば、安心してお願いすることができるでしょう。
運営元がしっかりしている
買取は現金や振込での支払いが主流です。高価なものを買い取るためには、会社にも資金力が必要です。運営元がしっかりしている会社であれば、適正な買取価格で査定してくれます。
メディア露出がある
メディアに露出経験がある店舗は、豊富な知識と経験を持つスタッフがいることが保証されています。
アフターフォローや保証が明確
クーリングオフ制度を利用できるなど、アフターフォローが出来る業者だと最初から分かれば安心してお願いすることができます。何か疑問があれば気軽に相談をしてみましょう。出張費や買取手数料が無料の業者も。
電話や来店時の担当者の対応が丁寧
電話や来店時の対応が丁寧な会社は、感じがよく疑問点があった場合に気軽に確認しやすいため、安心して利用することができます。きめ細かいサービスが行き届いており、品物も丁寧に扱ってくれます。
茶道具高額買取
まとめ
中国から伝わり、日本独自の発展を遂げた茶道の世界。来客をもてなし心を穏やかにするお茶の文化は、今でも日本人の心と美意識に寄り添っています。
価値の分からない茶道具をお持ちの方や処分を考えている方は、古美術八光堂で一度査定してみてはいかがでしょうか。専門知識と経験豊富なスタッフが丁寧に鑑定いたします。汚れや傷があっても高値で取引されているものもあります。ぜひお気軽にご相談ください。
茶道具高額買取